企業も地域の教育資源であり仕事を通して社会に貢献する意味と喜びを企業は言葉ではなく体験によって子どもたちに教えることができる。
毛受氏が理事を務めるNPO法人アスクネット(愛知市民教育ネット)は、
教育コーディネーターとして「地域」と「学校等の学びの場」の仲介役を果たしている。取り組みの一つに、教育CSR(企業の社会的責任)があり、
企業は学校に次のような援助をしている。
①市民講座、
②工場見学、
③職場体験、
④プロジェクト学習支援、
⑤実践型インターンシップ、
⑥NPO・学校への協賛金等。
このようなはたらきかけによって小学生の場合は職業への興味を刺激し、視野を拡大することができる。
中学生に対しては目標となる大人像、生き方、仕事観、社会観の形成を助けられる。
高校生では現実とのバランスのとれた将来選択に大きく影響すると考えられる。
では、企業にはどんなメリットがあるのだろうか。
地域で尊敬され存在感が拡大することが挙げられる。
子どもたちに教えることで社員が自分の仕事に誇りを持つため士気が向上し、企業への忠誠心も高まる。
子どものときに企業の教育を受けると、その企業に関心を持ち、有能な若者を雇用するチャンスが増えるに違いない。
例えば自動車部品などを製造しているアイシン精機は地球上の生物への共感をベースにした体系的な環境学習プログラムを実施している。
河村電気産業は工場見学に際して作業の改善策を子どもたちに考えさせる「カイゼンゲーム」を取り入れ、仕事の面白さを教える。
富士特殊紙業は自社で開発した水溶性のインキでパッケージを印刷する技術を用いて
小学校5年生を対象に「ものの溶け方」について実験授業をし、ブレーカーや配電盤を製造している。
日東工業では電気が供給される仕組みについての授業を行っている。
各企業の真摯な取り組みは高く評価され企業イメージは上がるばかりである。
長期的なビジョンを持って教育に関わっていくことも、これからの企業の使命となってくる。