米国における「働きがいがある会社」調査は約25年前にスタートし、そのランキングは1998年からフォーチュン誌で掲載されている。
この調査は理論先行ではなく、膨大なインタビューデータを基に帰納的アプローチで開発されたものである。
日本で調査が始まったのは2007年から。
ここでは企業に勤める従業員に対し、「会社への帰属意識と仕事への熱意」を調査しているが、日本の値は対象13ヶ国の中で最下位であった。
帰属意識と仕事への熱意が高い人はわずか9%で、米国の30%に遠く及ばない。
また、帰属意識が全く無いという人が24%も存在している。
これは従来の日本企業に対する定説を覆す結果であり、大変興味深い。
なお、働きがいを従業員の満足度と勘違いされるケースも多いが、これは別物である。
働きやすさだけを向上し、従業員の満足度を高めても結局は業績に繋がっていかない。
働きがいを醸成し、企業の業績に繋げていく考え方が重要になる。
元来、「働きがいがある会社」とは、
福利厚生や雇用が安定し、昇進チャンスのある会社だという仮説があった。
しかし、数多くのインタビューを重ねる中でどうもそうではなく、
会社や経営者への「信頼」、自分の仕事への「誇り」、そして一緒に働いている仲間との「連帯感」の3つから説明できることが分かってきた。
この中でも最も大切なのはマネジメントとの信頼関係であり、これは信用・尊敬・公正の3つから構成されている。
「働きがいがある会社」を調査するGreat Place to Workの活動は、
企業の悪い所を直すアプローチではなく、「強み」をテコに組織を改革することが最も有効な道であることを実証している。
この調査を通じ、自社の強みを発見し、そこを伸ばしていくことで改革が進んでいく。
弱い部分は「成長の機会」と前向きに認識し、これも徐々に改善していくことで、企業は「働きがいがある会社」へと変貌していくのである。