『50歳までに「生き生きした老い」を準備する~Aging Well』は、
ハーバードメディカルスクールにおける老後の幸せをテーマにした生涯発達調査を基に執筆されている。
この調査がユニークなのは、60年という超長期にわたる前向き調査である点。
そして、ハーバード大出身者、生活保護を受けていたスラム街の青少年、IQが150を超える天才女性といった3つの集団から1000名を超える大規模な被験者を対象としている点などが挙げられる。
この調査の結果から導出された、「50歳までのライフスタイルが人生後半の健康と幸福度にどのような影響を与えるか」という点について、本書籍は明らかにしている。
幸せな老後を送るためには、6つの成人発達課題を克服していく必要がある。
それは、
アイデンティティ(自我の確立)、
親密性(個から配偶者などの他者への自己拡張)、
職業の強化(社会的アイデンティティへの拡張)、
生殖性(完成された自己を子や部下などに分け与える)、
意味の継承者(自身が身に付けた文化や制度を広く伝え広める)、
統合(自己執着からの解放)という6つである。
こうした課題にぶつかった時、明るく前向きに自己を抑制しながら対処行動を取ることができる人ほど課題を乗り越えることができている。
また、この研究では7つのライフスタイルを50歳までに身に付けることで後期高齢時代も健康で幸せな人生を手に入れられることを証明している。
それは、
喫煙をしないこと、
適応的対処方法がとれること(ささいな事で騒がず逆境をうまく利用できること)、
アルコール依存症がないこと、
健康的体重、
安定した結婚生活、
適度の運動、
自己を管理して勉強し続けること(高学歴)、の7つである。
これらはいずれも子供の頃の家庭環境や現在の収入、IQなどは関係がなく、私たちの意志と努力でコントロールできるものである。
50歳までの良い習慣が老後を決めるということが科学的に実証されたのだ。