懐中電灯は、家庭における保有率が極めて高いながらも、日常的に使われたり、定期的に買い換えられたりする商品ではない。
使用シーンは災害や停電のときというように極めて固定化されている。
ブランド再生の一歩は、既成概念、前例主義を徹底的に破壊することから始まる。
ポテンシャルを引き出すことによってヒットした商品の例に、携帯電話のカメラ機能がある。
もともと「携帯するもの」である携帯電話とふと街で出会った人・風景を手軽に写真に収める「写メ」は非常に相性がよい。
じっと座って遊ぶイメージしかなかったゲーム機に、プレーヤーが体を動かしながらコントローラーを操作するという楽しみ方を提供したWiiも隠れ価値を見つけた商品の一つ。
隠れ価値を見つけるには、対象となる商品をステレオタイプに分析するとよい。
例えば「WHO」「WHEN」「WHERE」「WHAT」というシンプルな切り口でイメージする。
そのイメージを「逆転させたり」「矛盾させたり」「展開させる」ことで新しい発見がある。
懐中電灯のWHENを逆転させると、「夜」(暗いところ)ではなくて「昼」。
そこに「世代インサイト」「社会インサイト」「カテゴリーインサイト」をからめていく。
懐中電灯のWHOを展開すると、一家に一台ではなく「一人一台」。
一人に1台の懐中電灯を持たせようとすれば、形状も変えた方がよいという発想が生まれるはずだ。
ブランド・コミュニケーションで重要なことは3つ。
「Who to say?(ターゲット)」
「What to say?(ブランディング・アイディア)」
「How to say?(クリエイティブ&メディア・アイディア)」。
「Who to say?」で関橋氏が推奨するのは、「人違い法」である。
商品にジャストミートしない層をあえてチョイスすることで、意外なビジネス機会が開けるという。
その次は「What to say?」だが、多くの企業はこれを無視して「How to say?」に行きがちだ。
メディアへの露出も重要だが、大切なのはコアとなるブランディング・アイディアをしっかり持つことが重要。
クリエイティブであるためには、非常識を愛し、常に好奇心を大切にすることが肝要だと関橋氏は言う。
今「常識」と呼ばれるものの多くは、もともと「非常識」から始まっているのだ。
「奇」という漢字を見てみると、そこには「大いなる可能性」が潜んでいる。