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BPUプロフェッショナル系 大前研一アワー > 大前研一アワー240

【向研会】2008年経済から見た今後の経済見通し


概要:
2008年の国内外の経済動向を整理し、2009年に向けての日本企業の経営課題を総括します。

2008年は、前年から始まった米国発の金融危機が世界中に影響を及ぼし、
これまで堅調に成長を続けてきた欧州、ロシア、インド、中国までもがサブプライムショックの洗礼を受けた。
この世界同時不況の嵐にあって、唯一世界中の信用を保っているのが日本円である。
失われた10年といわれる不況下においても、1500兆円の金融資産を確実に築き上げてきた日本は、いまこそ世界へ資本を供給し、
ビッグ3の再建、鉱山石油資源の開発など、基軸通貨ドルを擁護しつつ、自国の弱点を克服するように積極的な行動に出るべきである。

米国発の金融危機は、
自国内の信用収縮から企業部門の悪化や家計部門の悪化が連鎖的に進行した。
欧州を中心に先進国で進行してきた住宅バブルも崩壊し、米国同様住宅価格の下落と信用収縮が欧州経済を悪化させている。
新興国へ投資されていた資本は一斉に引き揚げられ、すべての新興国通貨が大幅に下落、かつてのアジア通貨危機の様相を呈す。

IMFでは2007年からの数年間で日本の不良債権危機に匹敵する銀行の損失を予測しており、
その他金融機関を含めた合計で1兆4000億ドルの損失を予測したが、実質はその15倍以上はあるとされている。
米政府・FRBは、
投融資や保障を通じてすでに8兆ドルに迫る資金枠を提供したが、
今後の対応次第では米国債やドルの暴落を招くリスクがある。

今回の金融危機では、
国際的な枠組みでの検討が必要にもかかわらず、各国が個別に場当たり的な対応をし、
G20でも混乱状況の確認しかできず、必要な対策が検討されなかった。
これらの金融不況に対処し、今後の世界経済を安定化させるためには、
  ①世界的な金融機関救済(流動性供給)のための組織、「流動性機構」を設置し、金融商品輸出入のルールをつくる。
  ②欧州内の各国事情を調整できないIMFが機能しないため、世界的な為替安定のための仕組み、ヘッジファンドの攻撃を防ぐための「通貨防衛機構」を設置する。
  ③さながらウールマークのように、「品質保証機構」を設置し、国際的に流通する金融商品を保証する。
といった三つの対策を講じれば充分であり、世界はこのことに早く気付くべきだ。

日本は、円高の今こそ世界経済に対してリーダーシップを発揮すべきである。
安定通貨を持つ唯一の国として、世界の有力企業、有力国に投資することで、世界同時不況が解消したときに、日本経済は黄金期を迎えることができる。
そのためには、強力なリーダーの元で、相続税の時限的な無税化。
都市建築物の容積率緩和による職住近接環境の整備。
道州制導入による立法権・徴税間などの権限委譲といった改革を断行する必要があろう。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 2008年経済から見た今後の経済見通し
00: 01: 27 2.世界同時不況・金融危機(米国) 1
00: 01: 58 2.世界同時不況・金融危機(米国) 2
00: 09: 07 1.世界同時不況・金融危機 1
00: 15: 42 1.世界同時不況・金融危機 2
00: 18: 49 1.世界同時不況・金融危機 3
00: 20: 23 1.世界同時不況・金融危機 4
00: 22: 43 2.世界同時不況・金融危機(米国) 3
00: 25: 05 2.世界同時不況・金融危機(米国) 4
00: 34: 47 2.世界同時不況・金融危機(米国) 5
00: 37: 35 3.世界同時不況・金融危機(欧州、中・東欧)
00: 39: 45 3.世界同時不況・金融危機(新興国) 1
00: 49: 29 3.世界同時不況・金融危機(新興国) 2
00: 50: 01 4.世界同時不況・金融危機
00: 55: 19 4.世界同時不況・金融危機(まとめ)
01: 02: 38 5.実体経済(自動車)
01: 04: 22 5.実体経済(米国・自動車)
01: 08: 23 6.実体経済(米国・雇用)
01: 10: 21 6.実体経済(米国・消費)
01: 12: 30 7.実体経済(中国)
01: 12: 49 8.日本経済(企業) 1
01: 13: 38 8.日本経済(企業) 2
01: 14: 09 8.日本経済(企業) 3
01: 14: 36 10.国内経済(株式・不動産) 1
01: 15: 54 10.国内経済(株式・不動産) 2
01: 16: 35 11.国内経済(中小企業)
01: 17: 27 11.国内経済(日本の道筋) 1
01: 18: 21 11.国内経済(日本の道筋) 2
01: 20: 56 11.国内経済(日本の道筋) 3
01: 21: 56 9.まとめ 1
01: 23: 58 9.まとめ 2
講師紹介: 大前 研一(おおまえ けんいち)
経営コンサルタント
マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了後、日立製作所、マッキンゼージャパン会長を経て、現職。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院政策学部教授、オーストラリアのボンド大学の客員教授でもある。
著書多数。

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