米国発の金融危機は、
自国内の信用収縮から企業部門の悪化や家計部門の悪化が連鎖的に進行した。
欧州を中心に先進国で進行してきた住宅バブルも崩壊し、米国同様住宅価格の下落と信用収縮が欧州経済を悪化させている。
新興国へ投資されていた資本は一斉に引き揚げられ、すべての新興国通貨が大幅に下落、かつてのアジア通貨危機の様相を呈す。
IMFでは2007年からの数年間で日本の不良債権危機に匹敵する銀行の損失を予測しており、
その他金融機関を含めた合計で1兆4000億ドルの損失を予測したが、実質はその15倍以上はあるとされている。
米政府・FRBは、
投融資や保障を通じてすでに8兆ドルに迫る資金枠を提供したが、
今後の対応次第では米国債やドルの暴落を招くリスクがある。
今回の金融危機では、
国際的な枠組みでの検討が必要にもかかわらず、各国が個別に場当たり的な対応をし、
G20でも混乱状況の確認しかできず、必要な対策が検討されなかった。
これらの金融不況に対処し、今後の世界経済を安定化させるためには、
①世界的な金融機関救済(流動性供給)のための組織、「流動性機構」を設置し、金融商品輸出入のルールをつくる。
②欧州内の各国事情を調整できないIMFが機能しないため、世界的な為替安定のための仕組み、ヘッジファンドの攻撃を防ぐための「通貨防衛機構」を設置する。
③さながらウールマークのように、「品質保証機構」を設置し、国際的に流通する金融商品を保証する。
といった三つの対策を講じれば充分であり、世界はこのことに早く気付くべきだ。
日本は、円高の今こそ世界経済に対してリーダーシップを発揮すべきである。
安定通貨を持つ唯一の国として、世界の有力企業、有力国に投資することで、世界同時不況が解消したときに、日本経済は黄金期を迎えることができる。
そのためには、強力なリーダーの元で、相続税の時限的な無税化。
都市建築物の容積率緩和による職住近接環境の整備。
道州制導入による立法権・徴税間などの権限委譲といった改革を断行する必要があろう。