講師は活性化した組織を「組織本来の目的を組織成員が共有し、主体的・自発的に協働しながら達成しようとしている状態」と定義する。
誰もが納得できる目標を立て、誇れるビジョンを共有して協働すると、成果が出る。
この成果が達成感、一体感をもたらし、価値観が強化されると新たな目標に向かう原動力となる。
このサイクルが回り始めると活性化していくのだが、実際には企業変革の成功事例は少ない。
失敗した事例を精査した結果分かってきたのは、社員が「やりたい」と思う変革しか成功しないということだ。
いくら危機感をあおって変革の必要性を力説しても、社員の気持ちを動かすことができなければ変革への第一歩を踏み出すことができない。
革新的、先駆的な人はすぐに改革の意味を理解するが、彼らと一般社員のあいだにはキャズム(深いみぞ)がある。
キャズムを越えて組織全体に改革の理念を浸透させ、方向付けることの難しさを認識しなければいけない。
一般社員は、論理ではなく直観で態度形成するので、変革を好意的に受け入れてもらうためには、販売戦略に似たきめ細やかな配慮をする必要がある。
例えばi-modeは発売当初から受け手に応じたメッセージを多様なメディアを使って広告宣伝し、ユーザー間のコミュニティー化を支援、
最後にはセールスマンが顧客の背中を押すという何段階にも渡る工夫をした結果、発売3年弱で3千万契約を突破した。
このようなプロセスを社内の意識改革に適応したのがリクルートだ。
『リクルートブック』からリクナビへと移行するために、
社内のあらゆるメディアを駆使して社員に宣伝し、現場の営業担当者のコミュニティー化を促進し、上司が部下を直接説得する場を持つようにした。
変革に抵抗はつきものだが、不安を受け止め信頼の醸成に力を傾け、ある程度の信頼関係ができたところで強制することも重要だ。
課題を乗り越え成功体験を重ねると、徐々に意識変革が進む。社員の気持ちに配慮し、
地道に段階を進めることで初めて変革を達成し組織を活性化することが可能になる。