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BPUプロフェッショナル系 大前研一アワー > 大前研一アワー239

【拡大EUと「東欧」】ウクライナレポート


概要:
大前研一 ウクライナ&ルーマニアレポート第1弾

2008年9月の向研会ウクライナ視察旅行の様子を交えながら、ウクライナの現状や今後の方向性、およびEUの東欧展開の実態について紹介する。
政治的混乱が続く中、2008年の金融危機に見舞われて国家的な危機状況にあるウクライナであるが、優秀な人材や豊富な鉱物・農業資源などによりポテンシャルの高い国でもある。
同国の商工会議所、農業政策省、投資庁、民間企業への視察の様子を紹介し、ウクライナの魅力とその可能性について考える。

<二ヶ国語>

ウクライナは約60万3700平方キロメートル(日本の1.6倍、欧州ではロシアに次ぐ面積)の国土に約4368万人の人口を持つ共和制国家である。
ロシアの隣国であり、ベラルーシ、ポーランド、スロバキア、ルーマニア、モルドバと接し、黒海を挟んでトルコやブルガリアとも近い東欧の国である。

1991年にソ連邦から独立し、現在はEU加盟を目指しているため、エネルギーの大部分を依存するロシアと緊張関係が続いている。
また内政でもオレンジ革命で盟友だったユーシチェンコ大統領とティモシェンコ首相の対立があるなど混乱している。
最近では、2008年の金融危機によりウクライナの通貨(グリブナ)が年初より約70%も騰落し、国内のほぼ全ての銀行が閉鎖される事態に陥るなど国家的な危機に見舞われている。

金融危機に見舞われるまでは、ウクライナの経済は順調に成長してきた。
同国の魅力の一つは豊富な鉱物資源である。鉄鉱石の埋蔵量はロシアや中国を抑えて世界一位である。
ただし粗鋼生産では中国の10分の1以下であり、工業化には遅れている。
それでも輸出品として鉄鋼・非鉄金属が最も多く、最大の相手国はロシアである。

次にウクライナの魅力は豊富な農業資源である。
同国にはチェルノーゼムと呼ばれる肥沃な黒土地帯が分布しており、ヨーロッパのパン籠と言われる穀倉地帯である。
ひまわり、大麦、小麦などが主要農作物であるが、農業の生産性が低いためポテンシャルを十分に活かしているとは言えない。
外資導入による農業の近代化が必要と思われるが、進出はLandkomなど一部のベンチャー企業に止まっている。

またウクライナは旧ソ連時代に研究開発を担っていた地域でもあり、IT系などに優秀な人材が多いため、中東欧地域では最大のアウトソーシング市場である。
今回の金融危機により賃金が中国と同水準になっているため、さらに拡大する可能性がある。

このように鉱物的、農作物的、人的資源に魅力の多いウクライナであるが、日本企業の進出は殆どない。
もっとも、政治的に不安定であるため、内情が不透明で、法律面などの制度がいつ変更するか分からないという怖さがあるのは確かである。
そのリスクを勘案した上で、同国のポテンシャルを十分に引き出す日本企業が現れることを望む。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 拡大EUと「東欧」 ウクライナレポート
00: 02: 34 08年年初来のグリブナの騰落率(対ドル)
00: 05: 42 ウクライナ周辺図
00: 07: 42 ウクライナ・向研会視察旅行訪問先
00: 09: 35 ウクライナ概要
00: 11: 31 ロシアと旧ソ連諸国の関係
00: 12: 47 CIS諸国の主な紛争・外交問題
00: 13: 35 CIS諸国の主な紛争・外交問題(続き)
00: 15: 26 ロシア周辺諸国のロシア系住民分布
00: 17: 36 ウクライナの主要地域ごとの特徴
00: 18: 46 ウクライナ小史
00: 21: 17 ソ連崩壊後の歴代大統領と内政・外交状況
00: 21: 48 ウクライナの主要都市
00: 30: 45 ロシアから、欧州諸国へのガスパイプライン
00: 31: 09 ロシアの対欧ガス輸出でのウクライナへの依存率
00: 31: 34 パイプラインを巡るウクライナの位置関係
00: 32: 07 ロシアからの天然ガス輸出価格
00: 37: 14 ウクライナ投資庁
00: 37: 44 ウクライナのGDP成長率の推移
00: 38: 02 ウクライナの直接投資受入れ状況
00: 45: 28 ウクライナの品目別貿易動向
00: 46: 47 ウクライナの相手国別貿易動向
00: 48: 05 鉄鉱石埋蔵量と粗鋼生産上位の国
00: 49: 38 ウクライナの鉄鋼石炭産業の中心地
00: 50: 42 ウクライナの主要鉄鋼企業グループ
00: 57: 44 ウクライナの主要地場企業
00: 58: 48 ウクライナに進出する主な外資企業
00: 59: 40 European Business Association概要
01: 07: 05 中・東欧・CIS地域の賃金比較
01: 08: 28 中・東欧・CIS各国の法人税税率の比較
01: 14: 16 ウクライナ・ロシアの穀倉地帯
01: 15: 18 ウクライナ農業政策の変遷
01: 16: 08 ウクライナの主な農作物の生産量
01: 16: 28 ウクライナの主な農作物の輸出額
01: 17: 01 Landkom概要
01: 30: 09 Olvita概要
01: 40: 33 Europroduct Concern概要
01: 46: 49 GlobalLogic概要
01: 54: 42 中・東欧各国のアウトソーシング市場の規模
01: 57: 24 新興国通貨の年初来騰落率
01: 58: 10 08年年初来のグリブナの騰落率(対ドル)
講師紹介: 大前 研一(おおまえ けんいち)
経営コンサルタント
マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了後、日立製作所、マッキンゼージャパン会長を経て、現職。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院政策学部教授、オーストラリアのボンド大学の客員教授でもある。
著書多数。

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  アシスタント:孫 麻耶

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