ルーマニアは約23.8万平方キロメートル(日本の本州とほぼ同じ)の国土に約2150万人の人口を持つ共和制国家である。
一部は黒海に面し、ウクライナ、ブルガリア、モルドバ、ハンガリー、セルビアに囲まれた東欧の国である。
1998年のチャウシェスク政権崩壊後、急速に民主化、自由化を進め、2007年にEU加盟を果たした。
経済成長が続く東欧諸国の中にあってルーマニアは、ポーランドに次ぐ直接投資額を受け入れている。
特にEUに加盟する2007年前に投資額が急激に増加している。
投資対象は製造業が最も多く、次いで金融機関が多い。
ちなみに金融機関の88%は外資系である。
国際的にも南東欧の製造拠点としての評価は高く、その中でもルーマニアで活動したいという企業は多い。
その理由として人件費の安さ、法人税率の低さが挙げられるが、それだけではなく、人材の優秀さ、地理的な利便性も指摘されている。
ルーマニアの主要産業は自動車、繊維、IT、ワインなどである。
自動車では、ダチア社(ルノーが買収)のロダンが国内新車登録台数の40%を占めており、輸出もしている。
またルノーの進出により自動車部品産業も成長している。
繊維ではEU加盟後、フランスやイタリアのメーカーからの投資が拡大している。
特にイタリアのブランドが中間財を製造委託する拠点として知られている。
ITではソフト開発、エンジニアリングともに優秀な人材が多く、オフショア市場としての存在感が高い。
ワインでは、世界12位の生産量を持ち、安くて品質のよいワインで知られている。
ルーマニアに懸念事項がないわけではない。
一つは急激な経済成長に伴う地価の上昇である。
もっともイギリスやロシアなどに比べると3分の1程度の価格に過ぎない。
また一つは、世界的な金融危機の影響であり、IMFへの救済を依頼している状況である。
ただし、天然資源があり、優秀な人材を持ち、東欧の回廊として位置するルーマニアが成長性の高い注目の国であることは間違いがない。
その意味では、日本企業の進出が矢崎総業やマキタなどわずかであるのが気になるところである。
拡大するEUと成長する東欧諸国の状況にもっと目を向けるべきである。