チャンドラーは、組織構造に影響を与えるポイントとして、
①規模、
②多角化に象徴される“複雑性・多様性”、
③「似たものを集めるより、関連性のあるものを集めよ」~部門化の方針(専門の重視)、
④現場の認知限界、「気を散らさない」という意味での集中させるための分業化、
⑤トップの認知限界、
⑥意思決定の役割分担と情報流通という六つの項目を挙げた。
人間には認知限界があるので、規模に応じて管理階層を増やさなければならず、意思決定については役割分担しなければいけない。
戦略を決定すると、ある程度組織の在り方は決まるのだが、最適の組織構造を見出すには試行錯誤をするしかない。
組織にとって「創造的革新」と「適応的順応」はどちらも大切であるが、創造的革新には自由度が高い分権的事業部制が、適応的順応には機能性組織の強化・集権化が適合的だ。
両者は相克的な関係にあり、そのバランスを取ることが難しい。
例えば、競争環境が激化した業界にある企業が採用する戦略の一つは、コストを下げるということだ。もう一つは差別化。
差別化にも技術力で勝負するイノベーション戦略と、品質で戦う高品質戦略がある。
もし組織がイノベーション戦略を選択するならば、創造的革新が重要であるのは言うまでもない。
戦略を実行するには「自律的で自主裁量的な行動とチームワーク」が必要だから、多くのプロジェクトチームがある組織をイメージすることができる。
「長期的な視点」を持ち短期的な評価を避けるところから人事制度も見えてくる。
「変化に対する高い柔軟性」が求められるから機械的組織よりも有機的組織が適するだろう。
しかし同じ状況にあってもコストを下げるという戦略を採用するならば、適応的順応に重心が移り、機械的組織が適合する。
戦略を実行するには、どういう構造、コラボレーションが必要なのか。
有効な行動を誘発するための人事制度、動機付けモデルとは何か。
それらを総合的にデザインすることが、戦略的組織デザインという意味になる。