これまで国際的な金融危機が問われる時、投機家に対する批判、IMFに対する批判はあっても、為替トレーダーに対する批判はほとんどありませんでした。しかし、為替トレーダーのやっていることはゼロサムゲームですらありません。むしろマイナスがより大きいゲームであり、実際のところ、彼らの儲け以上に残していった被害の方が大きいのです。それは、財の破壊とも言えます。我々はそれで大きな損害を受けました。
しかし、投機する側にとっては自分達には被害は及ばないと考えていたようですが、マーケットが崩壊すればそういう訳にはいきません。我々がヘッジファンドへの対抗策を打ち出すのは当然の成り行きです。それは、メキシコ、ラテンアメリカ、ロシアがそうであったように、システム自体が変わらなければ何度でも被害に遭うからです。
発展途上国は、投機家たちによる鞘取り引きの対象になっています。そうして、一部の国々は、為替ベース、投機ベースの経済により、その成長率が30%にも膨らむのです。今のアメリカや80年代の日本がいい例です。このままだと、発展途上国にチャンスがありません。国際貿易のために為替は必要ですが、通貨そのものを売買する行為は国際貿易に必要なことではないと考えます。
為替トレーディングをすると、ヘッジが必要となり、ヘッジファンドが必要となります。ヘッジファンドが通常の為替の動きで満足しなくなると、通貨を下落あるいは上昇させて自ら利益を生み出そうとしだします。それがまさにあちこちの経済に被害を与えており、取り除かねばならない部分だと考えます。