神鋼電機は、資本金97億円超の重電機メーカーとして、
プリンタなどのモーション精密機器、パーツフィーダーなどの搬送機器、各種発電機などのパワーエレクトロニクス機器の3事業分野を柱に、
多彩な製品技術を武器に業績を伸ばし、2007年度売上約890億円、経常利益約42億円に達する企業である。
神戸製鋼所の子会社である当社は、
長年同社からの天下り人事を甘受してきたために企業経営の長期戦略が欠落、問題の先送り、事なかれ主義などが横行し、
佐伯氏が社長就任直前の1999年には、倒産寸前の状態に陥っていた。間接部門では、
不要な雑誌の購入に約2億円、機能を失った各種団体の会費に約1億円など、無駄な出費を重ね、
工場部門では、ほとんどの従業員に無気力、無責任、投げやりの態度が見られるなど、社員のモチベーションは最悪の状態にあった。
2000年に社長に就任した佐伯氏は、
現場重視の実体把握によって、当時の会社は無駄の塊だと認識し、
「工場の革新運動」、「ムダ撲滅運動」にとことん取り組んだ。
外部のコンサルタントを起用、専任スタッフを擁する工場革新推進室の設置、人事処遇も絡めた制度を創設するなど、
徹底的に従業員のモチベーションアップに務めた。
氏は、
企業の競争力を持続するためには業務を改善し続けることが必要だと説き、
社員には半ば強制的に改善提案を要求しているが、褒賞制度の効果もあり、その提出件数は制度導入当初から減少することがない。
今では、上司と気軽に相談できる風通しのよい社風を背景に、業務改善を検討・提案する小グループが自主的に多数発足し、
それぞれがお互いに連携を取りながら改善を実施し、コスト削減に結び付く顕著な効果を上げている。
天下り経営者が成功するには、親会社に頼らない不退転の覚悟が鍵になる。
神鋼電機は、2009年4月に社名をシンフォニアテクノロジーに変更し、より独自色を出した経営でさらなる飛躍を目指す。