株式会社タニタは、
1923年3月に、現社長の祖父である谷田賀良倶氏が起業した金属小物卸業の谷田商店に始まる。
1946年に谷田製作所として社名を改称し、日本初のオーブントースターをOEMで製造するなど、電気製品分野へ進出し業務を拡大していく。
その後、経営資源をヘルスメーターに選択集中させ、現在では、「はかるを科学する健康総合企業、はかりのタニタ」として、高品質の健康関連測定機器でトップシェアを誇る。
1972年生まれの千里社長は、
少年時代から父である前社長の大輔氏とはよく意見がぶつかり、
親に食わせてもらっていることに負い目を感じていた。
そのため高校卒業と同時に自立、手に職を付けるべく調理師学校を卒業したものの、
健康上の理由などから、最終的には佐賀大学理工学部を卒業し、家業とは関係のない企業で働くことになる。
紆余曲折ののち、父の勧めで入社した船井総合研究所でビジネスの基礎を習熟し、
2001年にタニタに入社、2008年に社長として36歳で事業を継承する。
独自の視点を持ち、はっきりとした意見を述べるなどの独自性の強さが後継者に選ばれた理由の一つだと前社長(現会長)は話す。
ひらめきなどの発想を大切にし、部下を信頼して業務を任せ切るタイプの前社長に変わり、
千里氏の経営手法は、状況を冷静に分析し、プロジェクトを要所できちんと管理していく方法を採る。
すでに新社長の元で開発された、高齢化社会を見据えた糖尿病管理商品も発売。
斬新な取り組みは、社員たちに期待を持って受け入れられている。
タニタでは、
売上が横ばいになっていることが悩みの一つであるが、創業期の精神に立ち戻り、優れた製品を作り続ければ、必ずや成果は上がると現社長は確信する。
良い意味での「因果応報」を座右の銘として実践している。
創業家が築いてきた事業をベースに置きつつも、新しい運営手法に果敢に挑戦することが重要である。
自ら起業する場合、あるいは創業家として事業を継承する場合の一つのかたちとして、ご覧下さい。