今回のゲストである松田氏は、余暇開発センターや、日本レジャー・レクリエーションにおける経歴が示すように、「楽しむことのプロデュース」をライフワークと考え、様々な活動をおこなっている。
中でも、近年取り組んでいる経営者教育では、教養をテーマとしたユニークな活動を展開している。
「キャンプ・ニドム」は、4泊5日でおこなわれる経営者向けの知的キャンプ。
富士ゼロックスの小林陽太郎氏、セゾングループの堤清二氏、元日本銀行総裁の速見優氏、資生堂の福原義春氏など、日本を代表する経済界の重鎮が「教養」だけを学びに集まる。
松田氏は毎回プロデュース役として講師選びを担当するが、その人選にはサプライズを用意することを忘れない。
これまでに、哲学者の今道友信氏、文学者の小西甚一氏、昭和天皇の御用係を務めた岡野弘彦氏、著書『禅的生活』で知られる玄侑宗久氏など錚々たる顔ぶれの講師を迎えている。
松田氏の考える教養とは、「対話としての基礎」。
地球温暖化、経済格差、テロリズムなど、深刻な課題を抱える現代社会にこそ求められていると説く。
同様の取り組みは、講師の竹内氏が所属する一橋大学とのコラボレーションによっても行われている。
2006年に「Hitotsubashi Knowledge Institute」を設立、本年1月から「ナレッジ・フォーラム」を開催し、毎回、日本企業の執行役員レベル30名を集め、月1回、教養のみを徹底的に学ぶ。
このフォーラムの目的は、「世界に尊敬される日本人経営者の育成と相互啓発」であり、その内容は、教養、経験の共有、思索と提言の3点である。
松田氏は、これからの古典学習に必要なものを、
Orientation、
Interactive、
Interesting
といったキーワードで表現する。
つまり、
いかに楽しさ、
独自性、
高いクオリティを備え、
学びを動機付けするか、
ということである。
松田氏は、今後いかに面白さや動機付けを付加して、古典や各分野の名著を学習に役立てていくか、またその役割を担うリーダーをいかに育てていくかといった新たなる挑戦に思いをめぐらせている。