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> イノベーションライブ357:一條和生

カルチャーとリーダーシップ(2)


概要:

問いかけ:企業のカルチャーを変えることは可能でしょうか。
会社を改革するにあたってリーダーはカルチャーに対して何を行えばいいでしょうか。

カルチャーとリーダーシップについて考えてみるシリーズの二回目。
1992年に創業以来最大の赤字となったIBMは翌年ルー・ガースナーをCEOとして招聘。
ガースナーはどのような改革を行い、IBMを復活させたのか。
彼は新しいカルチャーを作ったのではなく、元々あった良いカルチャーの復活を困難にしている要因を考え、それを排除したのだ。
また別の事例として、デルタ航空や日産の復活を取り上げ、カルチャーとリーダーの役割について考える。
ガースナーは変革をどのようなステップで行ったのだろうか。

まず、ロードマップ1で危機感の醸成を行った。大赤字を出してもIBMには危機感を持った者はいなかった。役員自身が顧客の元に足を運び、要望や問題を聞きだすように仕向けた。

ロードマップ2ではIBMに最も必要でないものはビジョンであると言った。危機の状態にある会社は出血を止めるのが第一なのである。

ロードマップ3の変革へアプローチでは、IBMが変革への力が強いが構えが低いという状況であったため、ボトムアップではなくトップダウンの方法を取った。

ロードマップ4の変革の計画はIBMが危機の状況にあることから、売上高の増大ではなくコスト削減から始めた。

ロードマップ5の強力な推進体制を整えるためにガースナーは外部から二人のメンバーを経営幹部に招聘し、トップにリーダーシップチームを編成した。

ロードマップ6のフォロースルーにおいては、変革のメッセージを伝えるために、ガースナーはCEOとして最初にe-mailを使い、頻繁に現場を訪れた。
就任2年後にサービスの重要性をe-bizというビジョンで表す。

2003年には5万人の社員がネット参加したバリュージャムを開催、変革を成し遂げたところで2003年にトップの座を生え抜きのパルミサーノに譲った。
バリュージャムを通じて定められたクライアントのための献身、イノベーション、信頼と責任という価値観は、実は創業以来のIBMのカルチャーとも言ってよいものである。
オンデマンドという新しい戦略に基づきPWCを買収、PCをLenovoへで売却したが、IBMにおいては「Think」が依然として重要であった。

変革におけるカルチャーとリーダーの役割の関係は、リーダーは良いカルチャーの復活を困難にしている要因を考え、それを取り除くことである。
日産の事例で考えてみると、カルロス=ゴーンは当初コストカッターと言われたが、「技術の日産」のシンボルでもあるフェアレディーZやGTRの開発を復活させている。
良いカルチャーを復活させることが企業を変革へと導き、活性化する原動力になるのである。

講師紹介: 一條 和生(いちじょうかずお)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授
日本における知識創造理論の権威の一人。1996年には、ダイヤモンド・ハーバードビジネスが行ったアンケート調査で、研修トレーニングに企業からよく求められる20人の大学教師の一人に選ばれている。一橋大学社会学研究科博士課程卒業。ミシガン大学経営大学院にて博士号(経営学)。専門は組織論。

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  アシスタント:西野七海

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