坂本氏は、東京大学在学中に、学生向けコピーサービスで自身初の起業を成功させた。
しかし、低価格を売り物にしたこの事業は競合の出現により付加価値が減少。
加えて、新たに始めた塾経営の不振がたたり、結局事業を辞め、負債を抱えることになる。
その後、借金返済のために、当時収入の良かったちり紙交換で生計を立て、
そこで知り合った人の支援を得て再起を図り、1982年にサムシンググッドを設立した。
その後は、ソニーに飛び込みで売り込んだコンサルタント業務を受注したり、
DTPソフトの会社を建て直したりして、種々の企業を移りながら、事業運営の経験を重ねていった。
1998年4月に、インターネット上で利用できる通貨システムを提供するウェブマネーを設立し、会長職に就く。
現在はその職を辞したが、会社は順調に業績を伸ばしている。
2005年には、それまで培ってきた起業のノウハウを生かすべく株式会社フロイデを設立し、会長として現在に至る。
坂本氏は、自身の経験から、いかに優れた付加価値であっても時代とともに陳腐化する、
常に新しい価値創造を目指して企業は苦悩すべきだと考える。
そのために、漫画、雑誌に限らず幅広いジャンルの書籍を読み最新の情報を貪欲に吸収する。
移動中には、人間観察などで常に疑問を出し続け、思考を止めないトレーニングを積む。
課題解決には、知識を蓄えることより、思考を開始することが重要。
そのことで道は開けると言う。
坂本氏率いるフロイデは、クライアント企業に乗り込み、既存の資源を基にゼロベースで戦略を積み上げる手法を採る。
故に、氏は、思考のベースが固定されるような座右の銘を持たない。
企業は、過去の栄光に固執せず、新たな価値創造に果敢にチャレンジするべきだ。
規格外品の思想をも取り込むほどの大胆な経営を実現できれば、苦悩の先にある歓喜を得られるだろう。
それは、フロイデ(歓喜)を社名にした由来でもある。
氏の著書『新規事業がうまくいかない理由(東洋経済新報社)』も参考下さい。