金城社長は、1997年から1年間、派遣社員として通信事業会社のアステル沖縄で働いていた。
契約が切れて一旦辞めたが、働きぶりが評価されて正社員として呼び戻された。
2001年、沖縄のサトウキビでラム酒を造ることを思いつき、アステル沖縄の関連会社である沖縄電力の社内ベンチャー制度に応募することに決めた。
調べていくうちに、南大東島のサトウキビが農林水産大臣賞を受賞するほど良質で、
かつてラム酒製造の構想が島にあったこともわかったため、「南大東島でラム酒をつくりたい」という企画書を作成した。
企画は社内審査を通過したが、酒類製造免許を取得することも難しく、
問題山積のまま行き詰ってしまったところ、それまで批判的だった上司に「きみだからこそできる」と励まされ、心が定まった。
南大東島の村長からも全面的に協力するとの返事をもらった。
高品質なラム酒を作ることができる技術者を探し、酒造りに関してはすべて任せるという約束で、
泡盛製造のカリスマ的存在だった玉那覇氏に工場長の任を引き受けてもらった。
社長と工場長の意見は、無添加、無着色、樽を使わず、素材の味を生かしたホワイトラム酒をつくるということで一致した。
2004年3月に株式会社グレイスラムを設立。
6月にスピリッツ類製造内免許を取得。
2005年7月に糖蜜を原材料とするラム酒、COR COR(コルコル)と、サトウキビのみを原材料とするCOR COR・アグリコールを初出荷。
2008年4月には念願だったスピリッツ類製造本免許も取得した。
ラム酒を使ったケーキを沖縄のオキコパンと共同開発し、東京の有名百貨店でも販売を始めた。
長期的には、南大東島に滞在してラム酒造りを学ぶことができるセミナーハウスの建設、
島で栽培した果物を使ったリキュール酒の開発など、島を巻き込んだビジネス展開を考えている。
金城社長が社内ベンチャーに挑戦したのは、出産後3カ月で復職した直後のことだった。