大柳氏によると、08年と09年の採用動向は、各段階で次のようなものであった。
・プレエントリー
08採用に比べると、09採用はやや全体的に後ろ倒しの傾向があるのに加え、09年のみ4月下旬に第2ピークが現れる。
この時期までに思うような結果が得られなかった学生が、新学期早々に再度エントリーをしていることがわかる。
・本エントリー
総プレエントリー数のうち、本エントリーした数の割合は、調査対象企業平均で約35%であり、この数値を下回っている企業については、何らかの改善策が必要である。
・社外セミナー
12月と1月に開催が集中しており、08採用と09採用との間に大きな違いはない。
・自社説明会
3月中旬のピーク後、3月下旬から4月上旬にかけて一度大きく落ち込む傾向は、08年・09年とも同じである。
ただし落ち込み具合は09年の方が大きく、これは、一度開催のピークを過ぎた後、しっかりと個別対応に移行できていたことを示している。
・一次面接
4月上旬のピークまでは08年・09年ともにほぼ同じ動きであったが、5月中旬以降、第2ピークが08年にのみ出現している。
売り手市場だった08年採用で、4月までに予定数を確保しきれなかった企業側の焦りを感じとることができる。
・最終面接
一次面接の実施状況に連動する形で、ピークは例年4月中旬~下旬におとずれている。
そしてここでも08年のみ5月下旬に第2のピークが出現している。
また、定性的傾向として以下の特徴がある。
・オープンセミナーにおいて学生は、説明内容のほかに運営の手際や、そこで見る“人”の魅力に注目する。
・学生は基本的な情報はあらかじめ持っているので、企業説明会では新しい発見を求めている。
・企業選びの尺度が明確であり、ワークライフバランスを重視する学生も増えている。
以上の分析を踏まえ、企業が採るべき採用戦略として、
①選考ステップにおける有効学生数を最大化するための「丁寧な採用」
②リアルな情報、学生の求める情報の提供や、不安感を解消することによる「納得感の醸成」
の2点を提言する。