かつてソ連を中心として強力なつながりを持っていたコメコン経済圏は、東欧革命やソ連崩壊により1991年に解散、
EU経済圏が拡大し隣接諸国に政治的、経済的に大きな影響を与えている。
ギリシャから旧ユーゴスラビアまでの、第一次大戦時代に火薬庫と呼ばれたバルカン半島は、
現在7つの国に分離独立し、EU加盟を果たしたスロベニアを先頭に、すべてがEU加盟申請中で、市場経済の恩恵を受けた繁栄の道を歩み始めている。
中・東欧、独立国家共同体(CIS)諸国は、
共産主義経済から市場経済への移行過程でマイナス成長を続けたが、大半の国は、1989年の経済水準を上回るまでに回復した。
これを見込んだ外資の流入が多数見受けられ、
南東欧地域のルーマニア、ブルガリアなどでは、EU加盟が決定した途端、大量の外資が土地投機に流れている。
カザフスタンには、日本からもウラン開発などで東芝の資本が入っている。
カザフスタン、ウズベキスタンなどのカスピ海の東に存在する広大な資源国は、中国、ヨーロッパが投資の機会をうかがう。
低価格の生産労働力を持つ南東欧地域は、
EUが中国に対抗するための原動力となることが認識された。
EUは、その経済圏内に、
低賃金で良質な労働力を持ったルーマニア、鉄鉱石などの資源と豊かな穀倉地帯を持ったウクライナなどを加えることで、
世界的な経済競争力を高めることができる。
CIS諸国は、政治的に、ロシアとの関係に距離を置く国(親EU)、緊密な関係を築いている国(親ロシア)に分かれている。
EUおよびNATOへの加盟を希望するCIS諸国と、CIS諸国への影響力を維持しようとするロシアとの間では、
外交、経済上の激しい駆け引きが行われているが、
CIS諸国のEU加盟いかんでは、米国の2倍の人口、1.5倍のGDPを誇るEU経済圏が出現することにもなり、
今後の世界経済の枠組みが大きく替わるであろう。
その意味でも、日本企業は、EUとの対応策をきちんと練る必要がある。