IBMは1914年に創業され、メインフレームのコンピューターメーカーとして世界中の企業にコンピューターを普及させ、自身も大きく成長していった。
1987年には株価は史上最高値となったが、その僅か4年後には最初の赤字決算となり、1992年には49億ドルの史上最大の赤字を記録した。その翌年、マッキンゼーのコンサルタント出身で、RJRナビスコのCEOも勤めたルー・ガースナーをCEOとして外部から招聘した。
彼はコンピューター業界の経験もなく、就任時のインタビューにおいて「ビジョンは必要ない」といったことから、IBMの立て直しが果たして出来るのかと周囲は懐疑的ですらあった。
しかしながら、2003年に社内生え抜きのパルミサーノにCEOを譲るまでの10年間で大改革を行い、業績のV字回復を成し遂げることに成功したのである。
彼はカルチャーこそゲームそのものである、マネジメントシステムが企業のDNAと結びついていない限り、長期的な成功をもたらさないと言っている。
カルチャーの形成には
創業者が押し付ける、
成功が強化する、
グループが押し付けるという
三つの段階がある。
創業者のトマス・ワトソンは「Think!」という言葉を掲げ、IBMはコンセプト・リーダーになるべきであると説いた。
1914年に作られた3つの基本信条とは、
個人尊重、
最高の顧客サービス、
優秀さの追及
である。ガースナーはこういったIBMのカルチャーを変えたのだろうか、何が変わり、何が同じままだったのだろうか。
カルチャーとは、
行動、物に示される、価値観として語られる、基本的な想定の中に反映、色々なレベルで作用、受け継がれた知恵、コントロールの方式、単一のものではなく
システム、リーダーシップそのものといったように様々に表現される。
カルチャーのレベルには
目に見えるもの、
語られる価値観、
基本的な想定という
三つの段階があるが、ガースナーはIBMの基本的な想定を変えたのではなく、目に見えるものを変えたのである。