伊藤氏は東京大学在学中の1981年に司法試験合格。
当時法律家になるには合格率1%台といわれた司法試験に合格することが必須であった。
合格後、直ぐに司法試験等の受験指導に携わるようになる。
1982年東京大学法学部を卒業、司法研修所入所、1984年に弁護士登録し弁護士としてのキャリアをスタートさせる。弁護士業の傍ら、理念を持った法律家を育てたいとの思いが高じ、1995年にとうとう弁護士を休業、司法試験合格のための伊藤塾を開き、法律家を育てることに専念することになる。
2007年には弁護士として再登録したものの、伊藤氏の軸足はぶれることなく、教え、育てることにある。
現在、法律家になるには法科大学院卒業者を対象とした合格率の高い新制度の司法試験と旧制度の司法試験が並存しているが、今後は新制度による合格者が中心となる。
そもそも法曹人口の増加や人材の多様性を狙った制度改革であったものが、逆に時間とコストの制約が社会人経験者のロースクール志望者の減少を招いている。
ロースクール入学後、勉強に付いていけないと方向転換する者もいると聞く。伊藤塾でも志高く時間をかけて挑戦する人材から、ロースクール入学のための学部生やロースクール在籍者が中心となってきた。
伊藤氏は旧制度にも問題があったと思うが、結果が保証されていない困難な司法試験に挑戦するということがなくなることは、法律家になるために必ずしもプラスにはならないと感じている。
優れた法律家とはどういう人かという問いに対し、伊藤氏は
共感力のある人、
バランス感覚のある人、
経験的知性のある人、
原理原則がぶれない人、
そして自分の能力を人のために活かせる人の
5つを挙げる。
新制度のスタートはある意味伊藤塾潰しであった。
一時は止めることも考えたというが、高い理念を持ち多様なバックグランドのある人材こそ法曹界には必要なのだとの思いは一層強くなり、これからも法律家になる人材を育てることを続けていきたいと語る。