1990年代から日本で本格的に利用されているインターネットは、電子メールなど低容量データだけを通信する時代を経て、高容量の映像配信を行う現代まで、大きく変貌を遂げた。
インターネット上の通信データ量(トラフィック)は増加の一途をたどり、毎年約1.7倍のペースで成長を続けている。
2008年末には、NHKが番組アーカイブスのブロードバンド配信を始める計画もある。
通信を支える回線には、無料IP電話Skypeが扱う音声データ、動画配信サイトYouTubeから流れる動画データなど大容量のデータが大量に流入する。
インターネットを流れるデータの大半は、日本最大のトラフィックを誇るJAPNAP、国内加入者数第一位のJPIXなど、東京大手町に集中して設置された商用サーバーで処理される。
しかし、点として配置される現状のサーバーシステムでは、電源容量・設置場所の不足などの理由により、同一地点でこれ以上の集積は不可能に近い。
これらの問題を打破すべく、IT技術者が一堂に会して最新ネットワーク技術の情報交換を行うInteropが毎年開催されている。
この英知を結集して、2008年のInteropでは、大手町と幕張メッセを豊富なフォトニック・ネットーワーク(光のじゅうたん)で接続し、点から面へのメッシュ方式分散サーバー(Show Net)の技術開発を試行。
サーバーが離れた場所にあっても集中して管理できる分散拡張システムの実用化にめどが立った。
村井氏が代表を務めインターネット技術を研究するWIDEプロジェクトでは、NTTコミュニケーションズなどと協調し、相互接続実験ポイントとしてのdix-ieの本格運用をすでに開始している。
世界に先駆けたこの研究は、将来必要とされるIPインフラ像を示唆する上で重要な意味を持つ。
各国間を大規模なネットワーク環境でつないでビジネスを展開する欧州連合(EU)などへの効果も期待できる。
この技術が次世代ITネットの主流になるだろう。