大阪府東大阪市にあるヨリタ歯科クリニックは、1991年に開業し、2002年に改装。歯科医・スタッフ合わせて約30名が従業員として働いており、治療だけでなく予防をもう一つの柱にした経営を行っている。
当院の医院理念は、
「私たちは患者の皆様の心の健康につながる医院作りをします。私たちの最高の幸せは患者の皆様のより多くの笑顔に出会うことです。」であり、
実際に受付係は「スマイルクリエーター」と呼ばれ、カウンセリングルームやウエルカムサロンなども整備されており、患者とのコミュニケーションを非常に重視している。
また、治療を通じてのコミュニケーションのほか、子供の年齢段階に応じてむし歯予防を行うコミュニティを組織したり、「カムカムフェスタ」と呼ばれるイベントも年2回開催している。
当院の朝礼では、各自が設定した個人年間目標を毎朝黙読しながらうまくいっている自分をイメージし、朝礼の最後では従業員同士で握手をし、笑顔で一日の業務をスタートするなど徹底している。
寄田院長がこのような歯科を作ろうと思い立ったのは、開業時代に4ヶ月半で3人のスタッフがすべて退職し、
医院運営が危機に陥ったことや、母の死を経験し、医院のあり方について、一からじっくりと考えたことがきっかけとなっている。
その後2002年に医院を改装してからは、チームワーク作りに注力し、メンバー同士の相互認知を促す取り組みを、数々行っている。
従業員の誕生日を皆で祝い、手紙を渡したり、表彰状や感謝状で互いの気持ちを伝え合うのはその一環である。
また、イベントの企画などにおいても、あくまで主役はスタッフであるとの考えのもと、ワクワク楽しいミーティングを演出し、院長の自作自演にならないよう留意している。
それにより、成功体験・感動体験の積み重ねがスタッフの自発的行動を促し、好循環を生むと寄田院長は言う。
講師の野田氏は、この事例は、きちんとメンバーの相互認知をはかり、リーダーが自らの思いを伝え、組織を方向付けるという意味で、企業のミドルマネジメントにとって非常に参考になると言う。