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> 組織人事ライブ469:高橋俊介

近代の女性と労働
ゲスト:佐伯順子氏(同志社大学教授)


概要:
人事組織を考えいく上で教養(基礎的バックグラウンド)が必要である。
例えば、上場企業の役員の女性比率を見ると、欧米諸国と比べて日本は極端に少ないのが現状である。
現在の企業事例を研究する事も重要であるが、そもそも論として、背景にある歴史を考察する事も重要である。
女性史の歴史観という一点をとってみても、裏に色々な歴史の変遷がある。

今回、女性史が専門の佐伯順子氏をゲストに迎え、“歴史的背景から見た日本の女性観の変化”を通じて、今後どのように女性を活用していくか考えてみて下さい。

明治時代は、文明開化の時代として男女平等と言う考え方が発達した時代である。
そこでは女性解放論が謳われ、女性啓蒙の為のメディアが発達している。
例えば、“女性改良”として日本髪が「不便窮屈・不潔・不経済」として批判され、和装から洋装(皇室ファッションも変化)と外見から“改良”(西洋化)が始まった。
また、政府が教育の機会均等を打ち出すが、その背景には「良妻賢母」になる為の教育という意図が隠されている。
これは富国強兵を進める(優秀な兵士を育てたい)政府の意図が大きく影響している。

明治末期には、工業化・都市化の進展から“専業主婦”と言う言葉が出てくる。
これはホワイトカラーの誕生が背景にある。
当時、専業主婦の地位は憧れの対象であった。
この頃から、家庭像にも変化が表れる。
江戸時代、父親が子供の教育をしていたが、女性が子供の教育をするようになる。
男性は仕事をする事だけが家庭での役割になる。
家族と市場との分離・同時生成が明確になる。
その為、男性は公領域、女性は家内領域という性別分業ができる。
これが近代家族の誕生である。

戦前期(大正・昭和)、職業婦人として女性の社会進出が取り上げられるが、不十分に終る。
近代家族の誕生と共に、女性がひとりで生活していくのが難しい中で、子供の育児を中心とする“永久就職としての主婦”の価値観が主流になるからである。
ここでも国力を強くするという政府の意図・価値観が国民に大きく影響している。

現在、女性解放論・ジェンダーフリー等と言うと、女性が自由勝手に活動するイメージがあるが、明治以降の男女の役割分業が今日まで影響を与えている。
最近、過労死・熟年離婚と言う言葉が取沙汰されている。
男性は働いてこそ父親の役割を果たせられると考えられているが、これは日本古来の考えではなく近代に形成された考えである。
どれも明治以降の歴史観に影響されたものである。
「女性観は意図的に作られ変化してきた」ある時期、ある社会的背景によって歴史観は作られている。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 近代の女性と労働
00: 01: 03 佐伯順子氏 プロファイル
00: 02: 13 本日のテーマ
00: 03: 40 今日の流れ
00: 04: 41 “文明開化”と女性解放論
00: 06: 51 女性“改良”の動き
00: 08: 22 女子教育の推進(良妻賢母主義の萌芽)
00: 13: 12 結婚観・恋愛観の変化
00: 19: 21 理想の女性像
00: 24: 45 芸者・女学生の特徴
00: 28: 35 明治期における女性の言論の抑圧
00: 30: 26 家父長を中心とした「家」
00: 34: 31 高等女学校令(明治32年、1899)
00: 37: 44 “主婦”の誕生と性別役割分業
00: 40: 37 “家庭”像の変化
00: 42: 26 “近代家族”の誕生
00: 45: 32 戦前期のメディアにおける女性と仕事①
00: 47: 47 戦前期のメディアにおける女性と仕事②
00: 49: 50 戦前期のメディアにおける女性と仕事③
00: 51: 43 結婚と仕事の両立不可能性
00: 55: 05 明治近代における女性・男性像の・・・
00: 58: 06 今日のまとめ
講師紹介: 高橋 俊介(たかはししゅんすけ)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授
組織・人事に関する日本の権威の一人。プリンストン大学大学院工学部修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ザ・ワイアット・カンパニーに勤務後、独立。
人事を軸としたマネジメント改革の専門家として幅広い分野で活躍中。主な著書に「自由と自己責任のマネジメント」「自立・変革・創造のマネジメント」「キャリアショック」「組織改革」「人材マネジメント論」がある。

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  アシスタント:岩崎里衣

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