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> 組織人事ライブ468:川上真史

トータル・リウォーズの設計と運用


概要:
日本企業が採用する成果主義は、バブル崩壊時に低下していた社員のモラールを再構築し、企業体質の立て直しに絶大な効果を発揮した。
しかし、経済環境が変化した現在では、その手法を続けるだけでは、従業員の就業意欲を維持できなくなってきている。
その打開策として、トータル・リウォーズ制度が注目を集めている。
シリーズ2回目の今回は、トータル・リウォーズ設計の枠組みを整理し、実際の組織状況に応じた報酬の考え方を明確にして、本制度を効果的に進めるための諸条件を明示する。
トータル・リウォーズの枠組みは、
  ①人事考課と無関係に市場水準や法令に従って設計すべき報酬で、基本給、有給休暇、福利厚生、退職金、社会保険など、一律に支払う外的報酬。
  ②主に業績考課に応じて支払われるべき報酬で、賞与、ストックオプション、報奨金など個人差を付けて支払う外的報酬。
  ③働く環境をよりよくする報酬で、フレックスタイム制、ワークライフバランス支援、ストレスマネジメント、サークル活動など、一律に提供する内的報酬。
  ④主にコンピテンシー評価に応じて与えるキャリアに関しての機会で、自由裁量権の付与、仕事へのアサインメント、留学、社外派遣など、個人差を付けて提供する内的報酬、
の4種類に分類できる。

この制度を、人材の多様化に応じて使い分けていかなければ、社内のモラールを維持向上させることはできない。

例えば、成長期にあり採用を拡大したい組織の場合は、一律な外的報酬を中心に報酬を設計する。短期的成果が求められる状況にあれば、個人差を付けた外的報酬にウエートを置く。
社員のモラールが低下していて全社的に一体感を醸成したい場合は、一律の内的報酬を手厚くする。
ハイパフォーマーのリテンションが重要課題となっている組織では、個人差を付けた内的報酬に重点を置くなどといった対応が望まれる。

トータル・リウォーズの制度をより安定的に機能させるために、
  パワーハラスメントなどで内的報酬を低下させる管理者の排除、
  社員個々人の興味・関心事などのデータを詳細に蓄積し管理者に提供、
  組織全体における定期的な意識調査の実施、
  内的報酬を報酬と社員に認識してもらう社内マーケティングの充実
などが肝心である。

現在の管理職に多い旧ハイパフォーマーは、過去の栄光だけで低業績の部下を条件反射的に叱責するだけでは問題解決に向けた取り組みが行えないため、モラール低下の引き金になる。
ダイバーシティの環境下にある現代では、質の高い管理者による企業運営が成果主義以上に求められている。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 トータル・リウォーズの設計と運用
00: 00: 53 本日のテーマ
00: 01: 15 今日の流れ
00: 01: 36 問いかけ
00: 02: 44 Total Rewardsの枠組み
00: 06: 54 各領域に含まれる報酬1
00: 12: 13 各領域に含まれる報酬2
00: 17: 20 各領域に含まれる報酬3
00: 30: 30 各領域に含まれる報酬4
00: 42: 12 どこにウエイトをかけるか?1
00: 43: 23 どこにウエイトをかけるか?2
00: 45: 10 どこにウエイトをかけるか?3
00: 46: 44 どこにウエイトをかけるか?4
00: 48: 39 企業を取り巻く環境と報酬
00: 50: 49 TRをより安定的に機能させるために
00: 57: 26 今日のまとめ
講師紹介: 川上 真史(かわかみしんじ)
ワトソンワイアット株式会社コンサルタント
早稲田大学 文学学術院 非常勤講師 株式会社アトラクスヒュ-マネージ 顧問
京都大学教育学部教育心理学科卒業。産能総合研究所、ヘイ・コンサルティンググループを経て、現職。 数多くの大手企業の人材マネジメント戦略、人事制度改革のコンサルティングに従事。

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  アシスタント:岩崎里衣

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