ビジネス・ブレークスルーHOMEへ | 会社概要 | BBTサービス一覧 | サイトマップ | BBTサイトについて | お問い合わせ一覧 |


> 組織人事ライブ467:高橋俊介

人事における単純化のわな
~無理な一般化に陥らない人事のために~


概要:
人事は、財務やマーケティング等に比べ普遍化・一般化が難しく、個別企業が世間のトレンドに盲従しがちである。
つまり、企業が自社のビジョンや戦略を十分に考慮しないまま、「成果主義は日本人には合わない」とか、
「コンピタンシーが世の中の流れだ」といった単純化された論理にもとづいて、人事制度や施策を構築している場合が多い。

過去の人事制度にトレンドがあったのは、それなりの背景があったからであり、講師の高橋氏は、無理な一般化に陥る企業人事に対して、6つの視点から警鐘を鳴らす。

「単純化・一般化に陥る人事」に対して指摘するポイントは6つ。

  1.人事の一般化と個別化の混同
     学者が行うのは過去の人事施策の調査・分析とそれに基づく普遍化であり、企業は未来の課題に対処するための、その企業らしい人事を構築していかねばならない。

  2.人事にグローバルスタンダードはあるのか
     米国で1960年代に職務型人事制度が広まったのは、1964年の公民憲法制定を背景に、人種や性別など、差別となりかねない要素をすべて排除しようとした結果である。
     ある国である制度が流行るのにはわけがあり、普遍的正解の人事制度は存在しない。

  3.人事にはトレンドがあるのか
     人事制度の変化は、ビジネスモデルの変化の問題でもあり、「他社がやっているから」という理由での導入はうまくいかない。
     大事なことは、変化のドライバーとなっているものを理解することである。

  4.表の人事と裏の人事の混同
     1990年代から普及した成果賃金について、「処遇にメリハリをつける」「組織を活性化する」という会社の説明はすべて表の顔であり、
     モチベーション理論をベースに議論することがそもそもの間違いである。

  5.人材育成の一般化と個別化の混同
     企業によって目指すべきリーダー像は違うので、普遍的モデルと自社の個別化を混同すべきではない。
     それ以前に、自社の差別化の源泉がリーダーにあるのか、それともそれ以外の部分かを認識することで、人材育成の個別化について取り組むべきことの違いも見えてくる。

  6.ビジョンと人事のリンクが個別性
     戦略とは競争優位構築のための、経営資源の意図的傾斜配分のことであり、企業ビジョン実現のためにそんな組織や人材が必要か、が組織人材ビジョンである。
     近年、中長期的な差異化は人でしかできない部分が増えてきており、資源の集中と個別性の高い人事がどの企業にも求められてくる。

以上6つの視点から「一つ一つの人事施策には背景があるのであって、普遍解というわなに陥らずに、個別性の高い人事を構築することが重要である」ことを強調する。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 人事における単純化のわな
00: 00: 49 本日のテーマ
00: 02: 44 今日の流れ
00: 03: 13 問いかけ
00: 04: 29 人事の一般化と個別化の混同
00: 12: 14 人事にグローバルスタンダードはあるのか
00: 24: 59 人事にはトレンドがあるのか
00: 34: 23 表の人事と裏の人事の混同
00: 45: 55 人材育成の一般化と個別化の混同
00: 49: 09 ビジョンと人事のリンクが個別性
00: 57: 39 今日のまとめ
講師紹介: 高橋 俊介(たかはししゅんすけ)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授
組織・人事に関する日本の権威の一人。プリンストン大学大学院工学部修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ザ・ワイアット・カンパニーに勤務後、独立。
人事を軸としたマネジメント改革の専門家として幅広い分野で活躍中。主な著書に「自由と自己責任のマネジメント」「自立・変革・創造のマネジメント」「キャリアショック」「組織改革」「人材マネジメント論」がある。

『高橋 俊介』をamazon.co.jpで検索
  アシスタント:岩崎里衣

Copyright(c)