拡大市場である電気・電子製品は、韓国、台湾などの企業による寡占化が進んでいるが、その素材・部品産業のシェアにおいては、日本企業が圧倒的な競争力を持っている。
特に液晶用材料や半導体材料においては、日本企業の独占状態であり、ヒロセ電機、ロームなど高い利益率を維持しているメーカーも多い。
半導体材料および液晶材料市場における日系メーカーのシェアは、それぞれ73.1%、65.2%と極めて高い。例えば、シリコンウェハーでは信越半導体が30%、フォトマスクでは凸版印刷が30%、エッチングガスでは昭和電工が30%など、多くの企業がトップシェアを持つ。
液晶パネル関連では、ガラス基板以外は、日本企業の独占状態である。
携帯電話においては、ノキア、モトローラーなどの製品販売上位企業も、シャープ、村田製作所などから部品の供給を受け、研究開発部門を日本国内に設置せざるを得ない状況にある。
航空機では、ボーイング787の35%の部位を日本のメーカーが担当して開発している。
航空機の機体材料として脚光を浴びている炭素繊維の供給元は、東レをはじめとする日本企業が全体の7割を占める。
日本企業の技術力の源泉は、生産現場主体で研究開発を進める態勢にある。
高度な生産プロセスの開発、地道な研究開発、コア技術への集中、セットメーカーとの擦り合わせ能力が強みだ。
企業の空洞化などに危機感を抱き、必死になって生き残りの道を探ってきた成果が、今、結果となって現れている。
国際競争力の源泉となる技術力、現場主導型の開発手法など、他の日本企業が素材・部品産業から学ぶべき点は多い。
「細く、深く、長く」コア事業に特化・集中して寡占化を目指すのも、企業が生き残る一つの方法だろう。
今後は、人材不足、新興国の台頭、技術のコモディティ化、資源・原材料の高騰、競争力を阻害する国家政策など、懸念材料も多い。
競争力のコアとなる技術力、その背景にある人材をどう育成していくかも鍵となる。