薄型テレビの世界は、異業種格闘技の宝庫である。
非常に激しい競争が繰り広げられる中で、異なる規格、異なるビジネスモデルが衝突し、トップメーカーが短い期間に凋落したり、
ライバルメーカー同士が提携したり、世界的に撤退と進出が繰り返されたりとめまぐるしく状況が変化している。
異業種格闘技の“攻め方”には、
(1)バリューチェーンの構造を変える、
(2)儲けの仕組みを押さえる、
(3)正面から戦う、
(4)搦め手から攻める
という方法がありそうだ。
(1)は、バリューチェーンのそれぞれの要素を「束ねる」「置き換える」「省略する」「選択する」「追加する」などで構造を変えてしまう方法である。
(2)は、ビジネスの入り口(イネーブラー)、料金所(トールゲート)、サービスエリア(エンラージメント)、バイパス(ブロックプレイ)などを押さる方法である。
(3)は、顧客価値の違いを訴求する、またはコスト構造を変えて低価格を実現する、または異なったビジネスモデルで戦う方法である。
(4)は、敵が嫌がることで戦う、あるいは小判鮫のようにおこぼれをもらう、あるいは小さなビジネスから始めて大きく育てる方法である。
異業種格闘技の“守り方”は、
(1)敵を知り、己を知り、顧客を知る、いわゆる「3C分析」を行うことで的確に対処すること、
(2)バリューチェーン分析を行うことで、必要に応じて自社のビジネスモデルを再構築することなどがあげられる。
このように異業種格闘技で生き残るためには、業界、顧客、自社のバリューチェーン、ビジネスモデル、強みと弱みを理解し、必要ならばビジネスモデルを再構築することが求められる。
異業種格闘技は何が起こるか分からない戦いなので、事前にすべてを予測することは難しい。
しかし、だからといって準備をしないのはあまりに無策。
振り回されないように注意しながらも臨機応変に対応し、不測の事態にも驚かないように準備しておけばショックを小さくすることはできるのだ。