異業種格闘技を分析する際に「バリューチェーン」という視点がある。
ただし、従来の自社を中心としたバリューチェーンではなく、消費者から見たより幅広い業界全体のバリューチェーンを考える必要がある。
例えば、
レコード針メーカーは、“商品開発・製造・マーケティング販売・物流”という狭いバリューチェーンを意識することが多いが、
レコードプレーヤーという業界全体を見た場合は、メーカー側から“レコード針・レコードプレーヤー・電機店”、
コンテンツのプロバイダー側から“ミュージシャン・レコードメーカー・レコード店”という2つのバリューチェーンが存在し、
最終的に消費者につながっている。
レコード業界では、レコードからCD、さらに音楽配信という流れの中で、レコード針は不要となり省略されることとなった。
このように幅広い視点を持つことで、自社の脅威がどこにあるか、またチャンスがどこにあるかを分析することができる。
過去、バリューチェーンの大きな変化を余儀なくされた業界を見てみると、
「束ねる」
「置き換える」
「省略する」
「選択する」
「追加する」
という現象が起こっていることがわかる。
カメラ業界を例にとると、これらの現象がバリューチェーンの変化をもたらしていることが理解しやすい。
他方、ビジネスモデルを理解することも異業種格闘技を戦い抜く上での大きな要素である。
ビジネスモデルを考えるポイントは、
「ビジネスモデルの3要素(顧客価値・儲けの仕組み・競争優位性)」
「コスト構造」
「ビジネスの目的」である。
ヤフー、楽天、グーグルというネット系3社の収益構造を見ると、グーグルと楽天の収益構造は重複がなく、ヤフーは、他の2社と重複していることが分かる。
つまり、ヤフーは楽天、グーグルの2社と戦っており、楽天とグーグルは戦っていないのである。
またグーグルとマイクロソフトは同じようなアプリケーションを提供しているが、グーグルは集客することが目的なのに対し、マイクロソフトはアプリケーションソフトそのものもが収益源となっている。
このようにビジネスモデルが異なれば、企業の戦い方も大きく変わってくるのである。
異業種格闘技に備えるためには、幅広い視点をもって分析しておくことが必要である。