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> 大前研一アワー228

【向研会】中国経済2008 ~成長の原動力とリスク~


概要:
人口13億人の中国は、
2007年のGDPが世界第4位の3.2兆ドルとなった。

携帯電話契約台数が、月々500万件も増加するなど、巨大な市場が目覚めたと言えよう。
アジアの生産拠点として輸出を伸ばす一方、
アッパーミドル層を中心とした購買力が向上し国内消費や海外旅行も急激な伸びを見せる。

だが近年、
輸出優遇税制の廃止、人事制度改革など、施政方針の転換によるリスクが顕在化した。

外資導入で成長を続ける規模感のある中国経済の実態と問題点を検証し、進出予定企業が採るべき戦略を探る。 

上海の株式市場が好調な伸びを見せ、国内民間企業が自ら投資を行うなど、中国経済は拡大を続けている。
韓国、日本などで生産された部品を国内で組み立てる加工技術で貿易を伸ばし、外貨準備は2006年に1兆ドルを超えた。

公共事業者は、
低価格で農民から収容した土地を商業地としてリースすることで豊富な資金を得ている。
これらの資本が国内のインフラ整備などの固定資本形成に利用され、さらなる外資の導入をもくろむ。

国内投資は、過剰貯蓄と過剰流動性を背景に加熱しており、中国の高成長の原動力になっている。
ただ高成長の影で格差が拡大し、省別の一人当たりGDPでは、
沿岸部の上海(7,000ドル超)と内陸部の黄州では10倍以上の差が生まれている。

インフレの進行により、エンゲル係数が高い農村住民や低所得者層の生活は苦しい。
戸籍制限で都市と農村住民の所得格差は3.28倍(2006年)と過去最高の水準に達し、大きな社会問題となっている。

中国政府は政策転換を迫られ、外資規制、税制改正、労働契約法改正、金融引き締めなどの方針を打ち出した。
主要都市では最低賃金が引き上げられ、東南アジア主要国と同等レベルの賃金水準に達したため、低コスト生産拠点としての中国のメリットが薄らいでいる。

中国で活動する韓国企業の中には、ベトナムへ拠点をシフトさせる向きもあるが、根本的な解決には至らないだろう。
中国のビジネス環境は、規制強化で事業に制約は増えたが、部品供給のための関連企業が集中して立地するなど、メリットは大きい。

中国経済が直面する課題に正面から向き合い、今後どのように付き合っていくのか、新たに検討する必要がある。
日本と主義主張が異なるからと及び腰の対応で市場を伺っていても、巨大マーケットを取り込むことは難しい。
本腰を入れて政治情勢を吟味し、中国進出の橋頭堡を築くのは今だ。

講師紹介: 大前 研一(おおまえけんいち)
経営コンサルタント
マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了後、日立製作所、マッキンゼージャパン会長を経て現職。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院政策学部教授、オーストラリアのボンド大学の客員教授でもある。著書多数。

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