経済人コー円卓会議(CRT)とは、
1986年にオランダのフレデリック・フィリップス(元フィリップス社社長)とフランスのオリビエ・ジスカールデスタン(元ヨーロッパ大学院副理事長)が、激化する日米欧の貿易摩擦を背景に、
ビジネスリーダーによるネットワークで、ビジネスを通じて社会をより自由かつ公正で透明なものとすることを目的としてスイスのコーに創設したものである。
毎年スイスのコーに日本を含む各国のビジネスリーダーが集い、企業倫理や企業の社会的責任を中心に討議を重ねている。
1994年には、企業の社会責任(CSR)を盛り込んだ「経済人コー円卓会議・企業の行動指針」を策定し、現在もCSRの浸透・普及を目指すべく調査・研究・提言を行っている。
CRTは、1986年に、キヤノンの賀来龍三郎会長が提唱した「共生」を理念に採り入れるなど、意外にもソーシャル後進国たる日本の役割は大きく、日本での活動も活発である。
経済人コー円卓会議日本委員会の主な活動は、企業の状況に応じたCSRの推進を行うことである。
単なるリスクマネジメントやCSRリポート作成に止まるのではなく、CSRを経営マネジメントに落とし込むため、
第1ステップとして「経営方針との合致」(CSRイノベーション診断)、
第2ステップとして「PDCAサイクルの構築」(ワークショッププログラム)、
第3ステップとして「行動への展開」(社員研修プログラム)、
第4ステップとして「ステークホルダーとのコミュニケーション」(CSRレポート作成支援)という
4段階の推進ステップを提供している。
ちなみにCSRをマネジメントに落とし込むためには、プロセスマネジメントとコミュニケーションの両輪が必要である。
プロセスマネジメントとは、社会の要請を聞き、それを攻めと守りに分けて整理し、経営会議にかけた上で、社会とのダイアログを行う一連の流れを管理することである。
海外でNPO活動を行うことに比べて、日本では、人材、ファイナンス、ノウハウともに集めにくい背景があると石田氏は言う。
ネットワークがあればビジネスとして成立するという甘い世界ではないが、自分の価値観に従い信念を持ってやっていれば成し遂げられる、とも語っている。