ミドルマネジメント問題を扱う本講義は、
2006年12月からスタートし、今回で最終回を迎える。当初、元気のないミドルに対し、「問題はミドル自身にある」という仮説を立てていた。
しかし、調べていくと
ミドル自身のステータス低下、プレイングマネジャー化とそれに伴う部下の育成・指導機会の減少、そして短期業績志向といった環境変化により、多くのミドルが疲弊していることが分かった。
つまり、ミドル問題の主因は
(バブル当時の)経営トップと組織全体にあったのである。
ミドルを育成していくには、
多様な経験と何かしら仕事に没頭する体験(フロー経験)を積ませることが重要である。
しかし、多くのミドルにそうした「場」、すなわちチャレンジングな仕事を提供できるわけではない。
そこで有効なのが、
リーダーとしての自己分析や疑似体験型研修による育成である。
また、ミドルは多様な業務経験だけでなく、若手社員との付き合い方も確立していく必要がある。
最近の新入社員は「デイトレーダー型」と呼ばれ、細かい損得勘定で会社の物色を継続し、安定的な社員にはなりにくいケースが多い。
こうした性質と、上司として必要な能力を理解した上で部下に接していくことが重要である。
今日のミドルは感情面での悩みも多いが、
「理(物事の原理原則を理解)・楽(学ぶ楽しさ)・感(感情を表出)」
の3点を統合することが自発的で前向きな感情を生み出す。
育成したミドルを活躍させることのできる組織には、3つのポイントがある。
「組織はチームの集合体」、「ミドルは階層の連結器からチーム経営者へ」、「社内プロジェティスタ(独立系プロジェクトリーダー)として面白い仕事に取り組む」の3点である。
ミドル問題は
「働き方」と「働かせ方」の双方の改革なしに解決はできない。