台湾企業は、
「世界の工場」中国を活用することにより、世界的にプレゼンスを高めてきた。日米の企業がランクアウトを続けるFortune500で、
鴻海精密工業や、廣達電脳など新たにランクインする台湾企業が増加している。中国国内の地場産業はエネルギー、金融、建設といったインフラ関係のみで、中国が輸出を伸ばしている背景には、
台湾企業が大きく貢献している。
自国内での製造経験を持ち、中国と同一言語を持つことから、日本からキーコンポーネントの供給を受け、中国の圧倒的な低コスト製造力を台湾がマネジメントすることで、低コストで製造した情報機器を米国へ輸出する確固としたルートを築くことに成功した。
例えば鴻海精密工業では、
マーケットは欧米、テクノロジーは日本、マネジメントは台湾と、必要なリソースを必要な国から集めて、ローコストで生産し、高く売れるマーケットで販売する戦略で急伸し、2005年に3兆円を越える連結売上高を出した。
台湾企業は、ブランドを持つ企業の製造部分のOME/ODM受託から発展し、その後、設計部分まで取り込むことでアウトソーシング企業として発展している。
Apple Computer社、HP社、任天堂、ソニーといった、日米の競合他社からの受注を一手に引き受ける鴻海精密工業や、特定用途向けLSIのMediaTekなど、中国を徹底的に活用した台湾企業が急成長を遂げており、日本の主要エレクトロニクスメーカーに匹敵する規模にまで成長してきた。
台湾エーサーが米ゲートウェイを買収し、PCのシェア3位に浮上するなど、今は、M&Aによってブランドを手に入れるフェーズに来ている。
水平分業の波はデジタル家電にも押し寄せており、液晶パネル、携帯音楽プレイヤーなど日本の強かった分野で、中堅メーカーが打撃を受けている。
日本、韓国などの周辺国の製造業が生き残るためには、中国進出へのパートナーとして台湾企業をうまく活用するか、高付加価値分野へシフトするしかないだろう。