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> 大前研一アワー226

【向研会】台湾企業の躍進の要因と日本企業への影響


概要:
台湾企業は、
OEM戦略を軸に中国の豊富な製造力を活用しながら、
米国への輸出を伸ばし、PC、情報機器の世界生産において圧倒的なシェアを誇る。

東アジアのビジネスを広く知り抜いた台湾であるがゆえに、
日米中をまたいだビジネスモデルを構築できたことが台湾企業躍進の一因である。
今後は、M&Aも視野に入れた活動が活発になると思われる。

日本、韓国などの周辺諸国の企業が生き残る鍵は、
急成長を遂げる台湾企業をうまく活用するか、高付加価値の分野へシフトできるかである。

台湾企業は、
「世界の工場」中国を活用することにより、世界的にプレゼンスを高めてきた。

日米の企業がランクアウトを続けるFortune500で、
鴻海精密工業や、廣達電脳など新たにランクインする台湾企業が増加している。中国国内の地場産業はエネルギー、金融、建設といったインフラ関係のみで、中国が輸出を伸ばしている背景には、
台湾企業が大きく貢献している。

自国内での製造経験を持ち、中国と同一言語を持つことから、日本からキーコンポーネントの供給を受け、中国の圧倒的な低コスト製造力を台湾がマネジメントすることで、低コストで製造した情報機器を米国へ輸出する確固としたルートを築くことに成功した。

例えば鴻海精密工業では、
マーケットは欧米、テクノロジーは日本、マネジメントは台湾と、必要なリソースを必要な国から集めて、ローコストで生産し、高く売れるマーケットで販売する戦略で急伸し、2005年に3兆円を越える連結売上高を出した。

台湾企業は、ブランドを持つ企業の製造部分のOME/ODM受託から発展し、その後、設計部分まで取り込むことでアウトソーシング企業として発展している。

Apple Computer社、HP社、任天堂、ソニーといった、日米の競合他社からの受注を一手に引き受ける鴻海精密工業や、特定用途向けLSIのMediaTekなど、中国を徹底的に活用した台湾企業が急成長を遂げており、日本の主要エレクトロニクスメーカーに匹敵する規模にまで成長してきた。

台湾エーサーが米ゲートウェイを買収し、PCのシェア3位に浮上するなど、今は、M&Aによってブランドを手に入れるフェーズに来ている。

水平分業の波はデジタル家電にも押し寄せており、液晶パネル、携帯音楽プレイヤーなど日本の強かった分野で、中堅メーカーが打撃を受けている。

日本、韓国などの周辺国の製造業が生き残るためには、中国進出へのパートナーとして台湾企業をうまく活用するか、高付加価値分野へシフトするしかないだろう。

講師紹介: 大前 研一(おおまえけんいち)
経営コンサルタント
マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了後、日立製作所、マッキンゼージャパン会長を経て現職。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院政策学部教授、オーストラリアのボンド大学の客員教授でもある。著書多数。

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