ロシアは、
周期律表を発見したメンデレーエフをはじめ、ノーベル物理学賞を受賞したチェレンコフ、スプートニク号を開発し、ロケットの父と呼ばれるコローリオフなど、今日に至るまで著明な科学者を多数輩出している。1980年にソ連邦が崩壊すると、
優秀な科学技術者たちは働く場を求め、多くが海外に流出していった。
プーチン政権下で経済が立ち直り始めると、この流出に歯止めがかかる。
IBMやボーイング、インテルなど、海外の大手一流企業は、
ハイエンドの人材を確保するため、ロシアに積極的な進出を行っている。
91年サンクトペテルブルグ市に拠点を置いたボーイング社では、
民間航空機の設計の8割をこちらに任せており、次世代旅客機「787」もここから誕生した。
インテル社は、ニジニ・ノヴゴロド、サンクトペテルブルグに進出。
3千人のエンジニアが従事するソフトウェアソリューション事業では、米国を除くと世界最大規模の売り上げを誇る。
高度な開発力と技術力を備え、英語を話す技術者は中国よりも多いという点から、
ポストインドのIT大国はロシアとの見方が強いが、問題点もある。
資本主義経済になじみが浅いため、透明性に欠ける会社が多く、高い技術を有していながら経営がずさんで、マーケティングの基礎がない点である。
ロシア最大手の製鉄会社セベルスタリは、
2006年、世界最大の鉄鋼メーカー、ミッタル・スチール(オランダ)による鉄鋼生産世界2位のアルセロール社(ルクセンブルグ)の買収問題において、アルセロール社に対してホワイトナイトの提案を申し出たが、経営の不透明度などで不信を招き、拒絶された。
セベルスタリは、即座に経営の手法をグローバルスタンダードに合わせるなどの努力をし、今ではロシアで最も欧米化が進んでいる企業との評価を得るに至った。
経済成長に下げ止まりが見えないロシアには、巨大なビジネスチャンスがある。
対日感情は極めて良好という状況にあっては、日露関係を強化しない手はない。