世界の富裕層、あるいは企業の資金は、低税率の国に集中する。税率の低いスイスには、英国の歌手フィル・コリンズ、元F1ドライバーのアラン・プロスト、『ハリー・ポッター』で多額の収入を得た日本人翻訳者など、世界の富裕層が多数移住している。
アムリン社、オメガ・アンダーライティング社など、2005年の米ハリケーン被害の補償で財務が悪化したロンドンの保険会社は、タックスヘイブン(租税回避地)のバミューダに移転した。
これらに対して、
欧州諸国は相次いで税率引き下げを表明、スイスへ流れた資金を引き戻そうと、必死になって取り組んでいる。
アジアにおいては、ハブ国家を標榜する香港、シンガポールが法人税引き下げを主導し、ASEAN諸国も追随する必要に迫られている。
サンスターがスイスに本社を移転。日本電産、マブチモーターなどが海外に拠点を移して税負担を10ポイントほど軽くするなど、日本企業にも、低税率国逃避の機運が高まっている。
税制に関する世界の潮流は、所得税の減税・フラット化、相続税の廃止、法人税25%に向かう。
実質減税の13%フラットタックス制を導入し、申告額増加に伴い税収がアップしたロシアを筆頭に、世界の国では、税率を下げれば、逆に税収が上がることが実証された。
日本の国税当局のように目先の数字を追うではなく、納税者の心理を読み、個人・法人所得税などの直接税の税率を下げ、人材・企業・資金を呼び込むことで、国内消費の拡大に伴う消費税収入を増加させる方向に進まなければ、税収を確保できない。
日本のような老大国(成熟国)は、所得増がなくフローの伸びは維持できないため、フローへの課税からストック(資産)への課税にシフトすべきだ。
世界一高税率の日本は、国の将来を考えて、道州制への移行とともに、資産課税、付加価値税の税源をそれぞれ地方に委譲して、2500兆円の国民資産に1~2%、500兆円の付加価値(GDP)に5~8%の税率をかけるだけで、国家運営は十分に可能となろう。