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> 組織人事ライブ444:川上真史

意志力の低下と組織問題(2) ~心理学からみた意志力~


概要:
「意志とは、自我による実行の伴う決定」である、

と前回お伝えしたが、
それが周囲に受け入れられない利己主義的な欲求であれば、意志とは言えない。
周囲にとって意味を持ち、かつ、自らの欲求として現れるものが意志である。

意志力について考えるシリーズ第2回の今回は、
心理学、特にユング心理学が意志と同意に定義する「個性化」という概念を中心に、いかにして正しい意志力を身に付けるかについて考える。

意志は、「個性化」という概念でユング心理学は定義する。

個性化とは、
個人としての多様性をより際立たせ、その多様性が周囲にとって意味を持ち、自分の存在意義を深く感じられる状態を言う。
ただし、周囲から承認を得るための自分らしさの放棄、一つの偏った暗示のみによる個性の放棄といった自己疎外は、個性化ではない。

見せかけの自分の仮面をかぶり隠れること(ペルソナ=古代ギリシャの劇で使う仮面に由来)で、自分を守っても本当の個性化にはならず、自分に苦しみが残り、どこかで破綻する。
内側からわき出てくるひらめきや思いの具現化と、周囲をしっかりと見ることによる使命的な意志の両方がしっかりとつながったときが「個性化」であり、強い意志となる。

人間は、共時的な体験を経験したとき、そこに深い意味を感じ取ることで、何らかの意志が生まれる。
特に共時的な事象(Synchronicity)を伴って、本来はバラバラの事象がまとまって意味を持つ状態(布置:Constellation)になると、パーソナリティーの変容が起こりやすいため、新たな強い意志が生まれやすくなる。

個性化、共時性による気付きは、数十年かけて起こることもある。
自分の思いが不完全な状態で個性化を焦ると、間違った方向での意志を持つことになりかねない。
自分がどういう人間として存在したいかをクリアにして、周囲に対して高い覚醒水準を持って、焦り過ぎず、常に意識しておく姿勢で臨めば、間違いない意志を持つことができる。

以上のように、
心理学的な視点から見た意志は、非常に深いものであり、常にこのような取り組みを意識することは難しい。
どこかにこのような考えを持ちつつ、実際には、周囲の環境への敏感な目配り、心の中からわき出てくる思いへの注目などによって意志を導き出すことが現実的になる。

そのような意志が見えたとき、再度、今回のような条件を満たしたものかを検討すれば、正しく強い意志を持った個性豊かな人間性が形成されるだろう。

 講義タイムテーブル:
スライド 時間 タイトル
00: 00: 00 意志力の低下と組織問題(2)
00: 00: 53 本日のテーマ
00: 01: 20 意志力の低下と組織問題
00: 01: 43 今日の流れ
00: 04: 15 意志と個性化
00: 08: 44 2つの自己疎外
00: 16: 38 ペルソナ
00: 19: 36 個性化と利己主義
00: 23: 16 個性化とは
00: 25: 12 意志力の2つの方向性
00: 30: 43 意志力を強く感じるとき1
00: 34: 38 意志力を強く感じるとき2
00: 36: 50 共時性とは
00: 47: 38 布置 Constellation
00: 49: 44 布置の組み換え
00: 52: 23 共時的な事象が起こるとき
00: 54: 54 間違いない意志を持つために
00: 57: 38 今日のまとめ
講師紹介: 川上 真史(かわかみしんじ)
ワトソンワイアット株式会社コンサルタント
早稲田大学 文学学術院 非常勤講師 株式会社アトラクスヒュ-マネージ 顧問
京都大学教育学部教育心理学科卒業。産能総合研究所、ヘイ・コンサルティンググループを経て、現職。 数多くの大手企業の人材マネジメント戦略、人事制度改革のコンサルティングに従事。

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  アシスタント:岩崎里衣

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