若い世代の目は社会に向き始めた。米国貧困地区の教育を助けるNPO、Teach For Americaは、
2007年の全米就職ランキングのトップ10に入るほどで、学生たちは高給よりも社会を良くすることにモチベーションを感じている。
米・英では、
NPOが雇用者全体の1割近くを占め、政府支出も1割を越える規模に成長している。
米国の社会的責任投資(SRI)の資産残高が250兆円に上ることは、社会貢献が利益と結び付いていることを表す。
日本は、
戦後、会社を公器と位置付け、当時のソーシャルニーズに挑戦したビジネスリーダーを排出したが、現在は国内のNPOも未熟で、社会貢献も事業として成り立つまでにはいたっていない。
21世紀における新たなソーシャルリーダーが望まれる。
世界のビジネスは、
中国、インド、東欧、南米、アフリカなどに暮らす12億人が、すでに総所得の3分の1、約9千500億ドルを生活必需品以外に支出していることから、
富裕層の下に控える「次なる10億人」を新たなビジネスチャンスのターゲットに据えている。
例えば、携帯電話は、
通信インフラが不十分な新興国で急激に売上を伸ばしているアイテムの一つで、音声を越えるさまざまなニーズを満たすポテンシャルを持っている。
アフリカでは、
携帯電話を使ったモバイルバンキング(MTN)、あるいは農産物価格情報提供サービス(Foodnet)など、生活必需品になりつつある。
しかし、インドでの携帯電話保有世帯の比率が損益分岐点に届かないなど、収益を出すのは現状では困難で、さらなる工夫が必要だ。
インドのムンバイでは、
広範囲に毎日20万食の弁当宅配をしているダッバーワーラーと提携したデリバリービジネスや、バングラデシュのグラミン銀行による携帯電話のローン購入サポートなど、ビジネス成功への兆しも見え始めている。
次代を担うリーダーに求められるものは、
社会のニーズを早期に的確にキャッチしてビジネスとして成立させる牽引力である。
日本でもソーシャル・リーダーシップを育てるべき時期に来ている。