「グローバル企業の競争戦略・国際競争を勝ち抜く経営力のヒント」と題した、東洋経済新報社主催の講演の内容を紹介する。大前氏がグローバリゼーションをテーマに講演をする場合、これまで招聘元の多くは先進国であったが、最近ではロシア、ギリシャといった国からも依頼が来るとようになった。
こうした事実からも「グローバリゼーションの波を肌で感じる」と語る。
日本企業の場合は、
海外でオペーレーションを行っているだけで、真のグローバル企業にはほど遠い。
企業のグローバル化をすすめるには、最低でも20年はかかる。
世界最大の食品会社・ネスレでさえも、かなりの紆余曲折を経て、今の体制を築いたという。
また、マッキンゼーも今や押しも押されぬグローバル企業で、GEと並ぶ人材輩出企業だが、大前氏がボードメンバーになった当初は、アングロサクソン色が強かった。
それに異議を唱え、20年かけて少しずつ意識改革をしたのである。
グローバル企業の戦略において、もっとも重要なのは人材に対する投資だ、と大前氏は語る。
コミュニケーション能力と経営能力を両方磨くことが重要であり、特にビジネスでは英語が必要とされる。
コミュニケーション能力が軽視されがちな日本と違って、韓国やドイツ、中国では、ここ10年で英語能力が格段に進歩した。
ニート対策などに頭を悩ます日本の現行教育制度では、グローバルに活躍する人材を輩出することは難しい。また、企業内でグローバルな人材は育てるには、国をまたいだ人材の異動が不可欠だという。
次に重要な戦略は、ブランド構築への投資である。
ソニーやナイキのように、全世界で通用するブランドを作ることが必要であり、「何を作るか」といった商品戦略は、「人材、国際ブランドが揃ったあとに考えればいい」と総括する。