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Vol.22 もしも、あなたが「ナガセの社長」ならば

2016年8月12日発売の「BBT Real Time Online Case Study」 Vol.22には、以下の2本が収録されています。今回はCaseStudy1「あなたがナガセの社長ならば」の一部を公開いたします。

N00492-cover-PB(RTOCS22)Web用

 

│CaseStudy1│
あなたがナガセの社長ならば
少子化が進むなか、教育産業をどのようにデザインし
いかに成長させ続けていくか?

 

│CaseStudy2│
あなたが燦ホールディングスの社長ならば
件数増加と単価下落が同時に進行する葬儀市場において
どのような成長戦略を描くか?

 

 

■書籍版は以下よりお求めいただけます。
本シリーズは下記WEBストアでのみの限定販売としております。

 

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■あなたが「ナガセの社長」ならばどうするか?

QUESTION:今回のリアルタイムケース

あなたがナガセの社長ならば
少子化が進むなか、教育産業をどのようにデザインし
いかに成長させ続けていくか?

 

【BBT-Analyze】大前研一はこう考える~もしも私がナガセの社長ならば~

大前の考える今回のケースにおける課題とは

予備校・学習塾を経営するナガセは、高校生を対象とした東進ハイスクールや東進衛星予備校を展開し、予備校における映像授業市場で7割超のシェアを占めている。2006年に中学受験を主とした四谷大塚、2008年にイトマンスイミングスクール、2014年に早稲田塾を買収し、既存事業の強化や多角化を進め、業績は右肩上がりで推移している。しかし少子化により小・中・高の在学者数の減少が続きくなか、業界大手による再編が活発化している。今後、自社の強みを生かして教育産業をどのようにデザインし、成長させ続けていくかが課題となる。

 

※本解説は2016/3/27 BBT放送のRTOCS®を基に編集・収録しています。

 

 

◆大学受験予備校の大手、小中学生・社会人教育により多角化

#売上の約6割が大学受験の予備校、映像授業の自立学習型で全国展開

ナガセは多くのカリスマ講師を抱える大学受験予備校・東進ハイスクールなどを運営する教育サービス企業です。東進ハイスクールは高校生が対象で1985年に創設、その後、1992年に衛星授業「サテライブ」を配信する東進衛星予備校を開設して全国にフランチャイズ展開をスタートしました。さらに2006年には中学受験の有名塾・四谷大塚、2008年にはイトマンスイミングスクールを買収してグループ会社化するなど、既存事業の強化と多角化を図っています。

 

スライド1

売上高は457億円超と業界トップクラスで、その内訳は[図-1/ナガセの事業別売上高構成]のとおりです。主力事業は大学受験予備校・塾の高校生部門で、東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾を合わせて売上高の62.9%を占めています。四谷大塚を中心とした中学・高校受験の塾は合わせて売上高の16.4%、スイミングスクールは15.4%、その他に、社会人向けのビジネススクールや出版事業などが5.3%となっています。

ナガセの主力事業である東進ハイスクールおよび東進衛星予備校の特徴は、「映像授業の自立学習型」というスタイルを採っている点です(図-2)。

スライド2

著名講師の講義を映像化し、生徒は学習レベルに応じた講義映像を個別の学習スペースで視聴します。進学相談などはサポートスタッフが対応するというシステムです。従来の予備校では主に浪人生を対象に大教室で集団指導を行うというスタイルが一般的でしたが、少子化に加え、現役志向の高まりや経済的問題により、現在は浪人生が激減しており、昼間から大教室で授業を受ける生徒は少なくなっています。そのため、大学受験生の大半を占める現役生に向けて、個々の学力やニーズに合わせて講義を映像で受講する自立学習型が主流となりました。自宅でなく予備校に来ることである程度の規律が守られ、効率的に学習できるという効果があるようです。講義を行うのは大手予備校から引き抜いた著名講師で、ナガセは従来の大教室・集団指導型から映像授業・自立学習型に転換することで急成長してきました。現在ではフランチャイズ校もあり、全国で1,000校以上を展開しています。

 

 

◆いち早い映像授業化推進により市場ニーズに対応

#大手競合を抑え、映像授業市場で7割超のシェア

少子化の影響で生徒数が減少し、大手予備校も苦戦する現在、多くの予備校が映像授業を強化していますが、そのなかで東進ハイスクール・衛星予備校は71.8%のシェアを占め、大きく他を引き離しています(図-3)。講座数は約1,200講座と大変充実しており、校舎数も直営94校、フランチャイズ984校と圧倒的な数を誇ります。大きく水をあけられて、河合塾マナビスが14.8%、代ゼミサテライン予備校が6.7%と続いています。

スライド3

河合塾マナビスは1校舎につき10人前後のアドバイザーを配置して手厚くサポートし、代ゼミサテライン予備校は約2,000の豊富な講座数で幅広い学習レベルをカバーするなど、大手予備校はそれぞれの特徴を押し出して競い合っています。浪人生の減少、現役志向の高まりという市場の変化に対し、いち早く映像授業・自立学習型へと転換を図った東進ハイスクール・衛星予備校が圧倒的なシェアを誇り、現時点では、最も成功したといえるでしょう。

このようにナガセの経営は順調で、年々、売上高を伸ばしています(図-4)。2000年代に入ってからはほぼ右肩上がりに売上高が推移しており、2016年3月期は連結売上高が457億4,200万円に上りました。事業セグメント別に見ると、主力事業である高校生部門が堅調に伸びています。これは映像授業・自立学習型への早期転換と、カリスマ講師による積極的なプロモーションによる影響が大きいといえるでしょう。また、四谷大塚などの買収により小・中学生部門を強化し、さらにスイミングスクール買収による多角化も行い、売上高は堅調に推移しています。

スライド4(ナガセ)

ナガセの業績推移を見てみましょう(図-5)。1996年から2004年頃は構造転換期で、集団指導から映像授業へと講義形式を変更し、ターゲットを浪人生から現役生へと転換した時期です。売上高、営業利益、純利益のいずれもこの時期は業績が悪化していますが、競合他社に先駆けていち早く映像授業化を推進し、ターゲットを現役生に移したことでめざましく躍進、現在もその状況は続いています。

スライド5

 

 

◆大手による再編・系列化が進む教育サービス業界

#少子化トレンドのなか、単価の上昇により市場規模は変わらず

少子高齢社会を迎えた日本では、年々、少子化が進行しています。1985年のピーク時には2,226万人いた小・中・高の在学生が、2015年は1,333万人と30年間で約900万人も減少しています(図-6)。

スライド6

在学生数が減少する一方で、学習塾・予備校の市場規模を見ると、1995年以降あまり大きな変化はありません(図-7)。その理由としては、塾へ通うことが一般的になり通塾率が高まったことと、また少子化により在学生数は減ったものの一人ひとりにかけるお金は上昇していること、つまり顧客単価が上がっていることがあげられます。その結果、市場規模はこの20年間変わらず9,000億円台を維持しています。

スライド7

 

 

#大手の予備校・通信教育企業・出版社が買収を繰り返す

スライド8

[図-8/教育サービス業界の売上ランキング]は競合他社の順位をまとめています。1位は「進研ゼミ」「東京個別指導学院」などを抱えるベネッセで、他を大きく引き離して4,632億円の売上高となっています。以下、2位が「KUMON」の公文教育研究会で905億円、3位が「Z会」「栄光ゼミナール」の増進会出版社で611億円、4位が「河合塾」を展開する河合塾グループで485億円の売上高です。ナガセは5位にランクインしており、6位以下は150~200億円程度の企業が続いています。

教育サービス業界では、現在、大手予備校による同業他社や小・中学生向け学習塾との提携や買収、さらに通信教育・出版大手による塾・予備校の買収など、活発な再編が進んでいます(図-9)。

スライド9

ナガセは早稲田塾や四谷大塚の買収以外にも、秀英予備校、早稲田アカデミー、成学社などに出資しており、さらなるM&Aを狙っています。代々木ゼミナールの母体である高宮学園はSAPIXの日本入試センターを買収、駿河台学園は浜学園と、河合塾は日能研とそれぞれ提携しています。

通信教育・出版大手によるM&Aはさらに活発です。Z会を運営する増進会出版社は、学習塾大手の栄光ホールディングスを買収しています。学研ホールディングスは、自社で学研教室を運営するほか多くの学習塾を傘下に収め、さらに予備校中堅の市進ホールディングスの筆頭株主となっています。ベネッセホールディングスも同様に、学習塾大手の東京個別指導学院をはじめ多くの買収を行っています。この再編の流れは今後も続くと考えられます。

未参入分野での展開とサービス拡充であらゆる世代をカバーせよ

 

#課題は未参入領域の開拓

ナガセの現状と課題をまとめてみましょう(図-10)。

スライド10

現在、高校生向け大学受験予備校の東進ハイスクール、東進衛星予備校などを展開し、映像授業型予備校の最大手としてフランチャイズで全国展開しています。さらに四谷大塚の買収などにより中学受験向けの学習塾を強化、スイミングスクールの買収により多角化も図っています。市場環境は、少子化が進み、小・中・高の在学生数の減少トレンドは続いていますが、通塾率の上昇や高付加価値化による単価の上昇などにより、市場規模はここ20年、横ばい状態となっています。

現在、教育サービス業界で売上高第5位に位置していますが、大手予備校および通信教育大手、出版大手による再編が活発化しています。

こうした現状を踏まえた今後の課題としては、大学受験後の大学生や社会人向け教育サービスへの参入、すでに競合他社で成功実例がある海外への展開、低学年向けの学習塾のさらなる拡充の3つの方向が考えられます。

 

#全世代をカバーする総合教育コンテンツプロバイダーを目指す

これらの3つの方向性から、ナガセは今後、どのように展開すべきでしょうか。

 

・・・・・・・・・・・<続きは書籍版で>

 

各ケースの”今”について、どのような課題を見い出し、あなたは何を導き出しますか?
ぜひこの書籍を通じて、”実践的な思考プロセス”を育ててください。

 

 

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