2007年3月26日号 |
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| IT・デジタル関係をテーマにした「大前研一のIT時評」が夕刊フジで毎月第四月曜日に掲載されております。 |
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テーマ1:米大統領のカギ握る「ユーチューブ」
ユーチューブは2008年の米大統領選に向けた特設サイトを開設した。各候補者がキャンペーン映像などを配信できるようにしたうえで、閲覧者のコメント書き込みなども可能にしている。 |
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いよいよ来たな、という感じですね。ユーチューブならぬ“ユーチューズ(You Choose)”だそうですが、これから先はユーチューブをうまく使った人が大統領になるという時代になるかもしれません。
テレビCMだと15秒とか30秒という限られた時間を大金を出して買うわけですが、ユーチューブは演説を5分間流しっぱなしにできます。しかも、実際に映像を見る人の数はユーチューブのほうが多いでしょう。
さらに、ユーチューブの映像にはレイティング(採点)が付けられます。たとえばヒラリー・クリントンは現在、4つ星(80点)ですが、私が見ても実にうまい演説です。 |
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テーマ2:「セカンドライフ」ブレークの予感
ネット上で仮想生活を営む米のオンラインゲーム「セカンドライフ」に日本企業が相次いで進出している。ブックオフが仮想店舗、ミクシィが就職説明所を設置するなど、「出店」の動きは広がっている。 |
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ミクシィというのは、実は求人広告の「ファインドジョブ」でもっている会社ですが、アバター(ユーザーの分身キャラクター)を使って就職情報を説明するという方法は今後の事業にも生かせそうです。
セカンドライフは米国のベンチャー企業が始めた立体映像仮想空間で、世界各国から約380万人が参加しています。空間内の仮想通貨を現実の通貨に換金する仕組みもあり、近々、日本語版も登場すると言われています。
これは日本でもブレークする可能性がありますね。というのも、日本にはもともとアニメやゲームの文化があり、しかも精巧なアバターや仮想建築物を作れる若者は世界のどの国よりも多いからです。
私はスクウェアで社外重役をやっていたころ、日本の10代のすごさを実感しました。学校教育からドロップアウトした人も多いのですが、彼らの技術は世界のどこに出しても引けをとりません。そういう意味からも、セカンドライフ、あるいはその類似空間が日本でヒットする下地はあると思いますね。 |
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テーマ3:松下のビクター売却、今後に危惧…
松下電器産業は子会社のビクター売却について、米投資ファンド「TPG」に優先交渉権を与えることで最終調整に入った。 |
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松下幸之助さんは非常に多くの買収を手がけた人で、私は「買収の帝王」と呼んでいます。ただし、幸之助さんが買収に行くのではなく、相手から「経営の神様、救ってください」と押しかけてくる、ということが大半でした。
買収後は、その企業のブランドを全部取り払い、松下から経理などの人を派遣し、事業部に衣替えしました。その事業部内では公平な人事を行うという見事な仕掛けを作り、何十社も買収しました。しかし、中には例外もありました。ビクターも例外のひとつで、事業部にはせず、会社はそのままにして株式だけを持つという方法をとりました。
その後、ビクターがVHSを開発したとき、幸之助さんは松下がフィリップスと共同で開発していたV2000という技術を捨ててVHSを選んだ、という有名な出来事もあります。
ビクターが掲げる「JVC」は、とくに欧州では非常に強いブランドなのですが、現在はヒット商品がなく、この5年間で売上高は2000億円も減少し、経営的にはじり貧です。松下としては、まず自分自身が生き残ることを優先し、ビクターを手放すことにしたわけです。そして入札の結果、サーベラスを振り切ったTPGが残ったということですね。しかし、サンスイやアカイが経験してきているように、ファンドにAVブランドの再生は難しく、今後の成り行きが危惧(きぐ)されます。 |
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テーマ4:健康保険証にICカード搭載へ
厚生労働省は2012年4月をメドに、健康保険証にICカードを搭載する方針を固めた。過去の病歴や受診内容を患者や医師がパソコンで確認できるようにする。 |
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もっと早く実行すればいいと思いますね。
ただ、もしこれが実行されても、卑しい医者は「もう一度、ウチの病院で検査してくれ」と患者に要求するかもしれません。検査を自分の病院でやらないともうからないからです。
したがって、一定期間内の検査データはどの病院も共有するという取り決めが必要です。この取り決めと合わせてICカードを導入しないと意味がありません。ICカードを見ればデータがわかるのに「私は見ない」と言い出す態度の悪い医者がいっぱい出てきそうですから。
ICカード導入は2012年という遠い将来の話ですが、その前にまず医者・病院のビヘイビアを変えねばなりません。 |
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