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スカパー!光
2007年2月26日号
 
IT・デジタル関係をテーマにした「大前研一のIT時評」が夕刊フジで毎月第四月曜日に掲載されております。
 
テーマ1:エディオン&ビックカメラ、規模だけの合併
  家電量販店2位のエディオンと5位のビックカメラは資本・業務提携し、2009年度をメドに事業統合すると発表した。売上高合算では1兆3000億円超となり、首位のヤマダ電機を上回る最大勢力となる。
 
 仕入れの一本化やポイントの統一などによる一定の効果はあるかもしれませんが、あまり意味のある提携とは言えません。
 そもそも、この業界は郊外型のヤマダ電機と都心型のヨドバシカメラの経営力が突出しているからです。
 売上高が1位になったことを背景にメーカーを買いたたいたとしても、それがいかほどの効果を上げるか疑問です。規模だけの合併という点にも興奮を覚えませんね。
 ただ、この先、量販店業界の再編が進み、売上高1兆円の会社がずらりと並ぶようなことになれば、量販店による流通支配は続くでしょう。
 そんななかで中小のメーカーが生き残る道は製販一体しかありません。たとえば、デザイン家電「アマダナ」で注目を浴びているリアル・フリートの社長は「自分たちで設計し、外部に委託生産した品を直営店で販売する『ファブレス』で生き残る」と語っています。つまり、マスを狙わないという生き方です。アメリカでも量販店支配でメーカーは疲弊してきています。家電や食品は生販連合やSPA化しか生き残る道はなくなりつつあります。
 
 
テーマ2:セガ、カプコン…「Xboxシフト」
  セガやカプコンなど大手のゲームメーカーは欧米向け事業を強化する。
 
 みんな「Xboxシフト」になってきましたね。言い換えるとこれは「ソニー離れ」です。
 たとえばカプコンは当初、5本ぐらいのソフトをPS3用に開発すると言っていましたが、結局は1本だけになり残りの4本はやめてしまった、と業界内では言われています。
 PS3は開発が大変なうえ、期待したほど売れていないため、ゲームメーカーは急速に(欧米で圧倒的な優位性を築きつつある)Xboxにシフトしています。ゲーム機が売れるかどうかは、ソフトメーカーがどれだけ命がけで対応ソフトを作ってくれるかにかかっています。そういう意味からもPS3は大変シリアスな状況になってきましたね。
 
 
テーマ3:Wiiはネットワーク機器として大化けするか?
 ブログなどのサービスを展開している「はてな」は、YouTubeの動画を任天堂のゲーム機「Wii」を介してテレビで見られる無料サービス「はてなテレビ」を始めた。
 
 これはおもしろいですね。Wiiでは地図を指して“ご当地”天気予報やニュースも見られますが、これから先、テレビの前でリモコンを動かして体力作りを行うサービス(ヘルスパック)やネットショッピングなど、テレビやパソコンとの融合による新サービスが次々に登場することでしょう。
 任天堂は以前も、ファミコンで株式の売買を行うサービスを野村証券などと展開していたことがあります。実は、ネットワークを使うというのは、任天堂の得意技のひとつなんです。
 ご存じのように、Wiiのリモコンは摩訶(まか)不思議な仕組みですが、みんながその扱いに慣れれば、Wiiリモコンで株を買う人が出てくるかもしれません。すでにWiiを介してテレビ上で複数のDSの対戦プレーができるようにもなっています。こうした“サプライズ”が任天堂の身上です。今後、Wiiがネットワーク機器として大化けする可能性も出てきましたね。
 
 
テーマ4:創業者復帰も、「デル・モデル」は陳腐化
 米デルは、マイケル・デル会長がCEOに復帰すると発表した。創業者の復帰で経営の立て直しを図る。
 
 デル氏はしばらく一線から離れ、ケビン・ロリンズ氏がこの10年くらい実質的にトップをつとめていました。創業後、この2人はずっと仲良くやってきたのですが、今回、ロリンズ氏が責任をとる形で退き、デル氏が復帰したわけです。
 「デル・モデル」と言われる同社のビジネスモデルは、注文を受けて製品を作る受注生産方式です。ただ、いまのパソコンはかなり安くなり、少しくらい余計な機能が付いていても値段はあまり変わりません。出来合いの製品を買っても、さして損した感じはしませんし、受注方式で買っても大したお得感は得られません。
 つまり、時代が変わり、デル・モデルそのものが陳腐化してしまった、と言えます。この状況で経営を立て直すには新しい経営手法を打ち出さなくてはいけません。マイケル・デル氏は今まで弱かった海外に注力する、などと言ってますから、従来のやり方を踏襲するだけの考え方です。これではうまくいかないでしょうね。
 
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