【企業が元気に成長するためには?】
世界一働きたい会社を創ろう!(マーク・M・ムネヨシ 氏)
「なぜ、ものが売れなくなったのか?」
「社員はなぜ、計画通りに働いて成果を上げてくれないのか?」
「なぜ、毎日こんなにも徒労感をいだくのだろうか?」
など、お仕事をされながら思われたことはないでしょうか。昔はうまくいっていた方法なのに、なぜうまくいかなくなったのかがわからない…という声を聞くこともあります。その理由を、今回ご紹介する本の著者は日本経済が成長経済から成熟経済に入ったためだと指摘しています。本著が書かれたのは今から5年前。今ではすでに使い古された言葉かもしれませんが、この状況に変わりはないのではでしょうか。
著者はそのような中でも企業が元気に成長していくためには「適切な収益を維持発展しながら、楽しく働ける会社創り」が大切だとしています。そして、そのために必要なこととして以下の5つのポイントを挙げています。
【ポイント1】
「顧客ロイヤリティ」が重大な決め手
【ポイント2】
顧客は、ワンストップで製品購入やサービスを受けたい!
【ポイント3】
マルチプロセッサ社員
【ポイント4】
「個人のライフプラン構想」が社員の魂を燃え上がらせる。
【ポイント5】
「会社のエクセレンス構想」と「個人のライフプラン構想」を融合した「社員のエクセレンス構想」ができると「世界一働きたい会社」に進化する。
それを実現している企業の例として本著の中で紹介されているのが、東京都大田区にある玉子屋という仕出し弁当屋です。街中で仕出し弁当を運ぶ車を見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
大不況と言われていた時期でも都心を中心に1日7万食の弁当を売り、年間売上を88億円(うち、430円の弁当部門のみで70億円)もあげていたという玉子屋(著書が出版された当時)。その成長が注目され、カンブリア宮殿でも取り上げられたり、スタンフォード大学のMBAコースの学生が視察に来たりすることもあるそうです。
では、その成長の原動力は何なのでしょうか?
著者の言葉を借りると社員の多くを占める「札付きのワル」といわれていた若者たちに火をつけるコミュニケーションをとってきたこと(例えば、「これ難しいけれど、本当にお前にできるのか?」と挑発をしてみせたりなど)。チーム制にして弁当の配送を競わせることで、その結束力やドライブテクニックなどを存分に発揮できるような仕組みを作り上げたこと。そして、特に重要なのがその根底にある【ポイント4】【ポイント5】で挙げた「会社のエクセレンス構想(会社として目指すもの、すべきこと)」と「個人としてのライフプラン構想(自身がどうなりたいか、そのために何をすべきか)」を融合させて「社員のエクセレンス構想(会社と個人が目指すことを実現するために社員として何を目指し、どうすべきか)」をつくりあげ、実行させていたことにあるといいます。だからこそ、社員は顧客に満足してもらうために自発的に工夫をしながら働くようになり、顧客ロイヤリティが高まって会社が成長していくのだといいます。
もちろん、これが唯一の在り方ではないと思います。時代や業態、会社が置かれている状況によってそれぞれの最適解があるでしょう。ただ、この時代に成長していくためにはどうすればいいのか?それを考えるためにはとても参考になる視点もあるのではないかと思われます。
もしこのテーマについてより深く考えたいと思われましたら、ぜひ一度本著を手に取られてみてください。読書は思考の「バッティング・マシーン」です。
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