[テーマ]地域の資源化プロセス
　[講　師]飯盛 義徳　

地域づくりにおいて、地域にある豊富な自然や歴史、伝統文化など多彩な資源を再認識、価値観を共有し、戦略的に展開していくことが重要だ。国でも、地域活性化に必要な人材力育成や強化を図るための研究会を立ち上げ、有識者による検討を進めている。
本番組では、各地で地域づくり、人材育成、伝統産業や商店街再生、農水産業活性化などの研究プロジェクトに携わっている飯盛義徳氏を講師に迎え、地域が元気になるための具体的方策を探究していく。

　[テーマ]伝統産業の再生
ゲスト：矢島里佳氏（株式会社和える 代表取締役）
　[講　師]飯盛 義徳　

日本全国各地にある伝統産業は、市場が限られていることや後継者育成が困難なことから、生産高や従事者数は年々減少の一途をたどっている。伝統産業を再生できれば地域づくりにもつながるのではないか。
本番組では、日本の伝統産業とベビーやキッズの分野を結び付けて事業を興した、飯盛義徳氏の教え子でもある、「和える」代表取締役、矢島里佳氏をお招きした。伝統工芸品が新しい市場に向けてイノベーションしている事例を具体的に紹介し、地域が活性化する手だてを探っていく。

　[テーマ]まちのデザイン
ゲスト：西村 浩氏（株式会社ワークヴィジョンズ 代表取締役／建築家・デザイナー）
　[講　師]飯盛 義徳　

地域づくりで重要なポイントは、いろいろな人たちが集まり、次々と新しい自発的な活動が生まれること、創発を起こすことだ。それを実現させたのが今回のゲスト、建築家でワークヴィジョンズ代表取締役の西村浩氏だ。祖父が大工で、幼少期から建築に興味を持っていた彼が進んだ東京大学で学んだのは土木。つくることが目的となっていた箱物でなく、使っていくことで人々の活動が盛んになるような町づくりが今後は大切だという、彼が手掛けた地方都市のプロジェクトを具体的に紹介していただく。

　[テーマ]地域資源の展開とネットワーク形成
ゲスト：宮治勇輔氏（株式会社みやじ豚 代表取締役／ＮＰＯ法人 農家のこせがれネットワーク 代表理事）
　[講　師]飯盛 義徳　

地域づくりを行うには、地域資源を見極め、多方面の人たちとつながりをつくり、その資源を戦略的に展開していく資源化プロセスが大切である。今回のゲスト宮治勇輔氏は、実家である神奈川県藤沢市で養豚場を継ぎ、ＮＰＯ法人農家のこせがれネットワークを設立するなど、地域資源の展開とネットワーク形成を極めて効果的に行っている。
「かっこよくて、感動があって、稼げる」の３Ｋ産業にするための戦略とは何か、農業の仕組み自体を変革した取り組みを伺う。

　[テーマ]多様な人々の協働
ゲスト：平岩国泰氏（特定非営利活動法人 放課後ＮＰＯアフタースクール 代表理事）　
　[講　師]飯盛 義徳　

ユニセフが行った子どもの幸福度調査によると、「孤独を感じる」と回答した子どもが日本は29・8％と断トツ１位で、２位のアイスランドの３倍近くもあった。共働き世帯の増加により学童保育は不足し、子どもの預け先を塾や習い事に求める親も少なくない。携帯型ゲーム機の普及で、子どもの遊び方自体が変化していることも否めない。今回は、放課後ＮＰＯアフタースクール代表理事である平岩国泰氏を招き、子どもたちが安心して遊べる地域づくりを目指して活動している状況を伺う。

　[テーマ]食と地域振興
ゲスト：高野誠鮮氏（石川県羽咋市教育委員会 文化財室長／日蓮宗 本證山妙法寺 第４１世住職）
　[講　師]飯盛 義徳　

20年間で人口が半減した石川県羽咋市神子原地区は65歳以上の住民が半数以上を占める限界集落。活性化ドラマとしてシナリオを描いたのは、今回のゲスト、石川県羽咋市教育委員会文化財室長の高野誠鮮氏である。前向きで自由な発想をする敏腕プロデューサーがいて、地域が自信や勇気や元気を持ち、役を演じることがいかに大切か。犯罪以外なら何をしてもいいという上司に支えられながら既存の手順や方法を変え、斬新なアイデアと戦略で展開したサクセスストーリーを追う。

　[テーマ]地域づくりのマネジメント まとめ
　[講　師]飯盛 義徳　

地域づくり活動で目指すべきことは、戦略的な思考やマーケティング、情熱やモチベーションは言うまでもなく、次々と新しい自発的な活動が生まれる仕掛け、社会的創発をつくることである。予期せぬ相乗的効果が生まれるような設定ができれば、持続可能な活動へ広がっていく。
最終回となる今回は、飯盛義徳氏が設立したＮＰＯ法人鳳雛塾における活動やプロセスを分析し、地域づくりで大切なポイントをまとめていただく。